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まほー(物理)  作者: 林檎とエリンギ
10th Theory
429/476

Chapter 039_人形遊び①

本話。

ちょっと短めのお話となりますが・・・



着想アリですっ!!

曲は:


シューマン 作曲

クライスレリアーナ Op.16-7



ハイスピード超絶技巧戦闘曲!!

一気読みしてくださいませマセ!!

「来ますです!」


お耳ちゃんが月影の暗がりを指した…



「「「っ!!!」」」


…次の瞬間!!



『キイィィーーーン!!』


甲高い音金属音と共に



『ドゴオオオオオォォォォンッ!!』


…陥没した首元に、ひしゃげた上体。

あらぬ方向にネジ曲がった脚をぶら下げ、主人と同じく首を失った馬…


もはや、ドレが甲冑でドレが肉でドレが血で…

どこまで騎士でどこから馬かも分からない金属の塊は


半ばで折れた槍を音より速く!



「っ…っそおぉっ!!」


技も誇りも目的もなく。ただ、力と魔力のままに

剣の彼に撃ち込んだ!?



『ギャギィッ!!』


僅かに遅れ!



『ガギギイィンッ!!』


暴力の化身…だった。

筋肉の塊を。



「あん゛ん゛んっ、にゃああぁーっ!!」


2本の刃で見事に受けきったお耳ちゃんは。しかし、

大きく後へ飛ばされた



「オイオイオイ!悪魔ってのは”こんな”になっても動けんのか!?」


チャージランスを抑え込んだ

剣の彼の言葉に!



「ア、アスラムは分かんないけど…リ、リオンはさすがに…」

「首が飛んで生きてるコトなんて無いはずだ!!」


ぼくとルフの言葉に!



「しゅ、」

『ガギィンッ!!』


飛ばされて…また、飛ぶように戻ってきたお耳ちゃんが!



「しゅくなくと『ギィン!』…もっ!『カキィン!!』しゃっ、『ギジッ…』しゃっき!別れ…わわわっ!『ゴズッ!!』」


リオンの爪と、



「わ、別れたときは!どっちも息してたし!心臓動いてたですっ…よおぉっ!!」

『ガギャィンッ!!』


刃を交えながら!



「今は”してない”ってたな!?」

「にゃんです!」

「【不死】持ちったって。肉体の限界迎えたら止まんだろ!?」

「…のハズだよ!」


彼と…そしてぼくと



「じゃ、なんで動いてんだよ!?」

「分かんないよ!!」


話しをしていると



「分かんない。じゃ、ねーだろ!テメーの部下だろ!!」

「そんなコト言われてもこ…」


お耳ちゃんと相対していたリオン(だったモノ)が



「みゃっ!?アミちゃっ!!」

「ま…へ?っ!?」


突然!



「うわあぁっ!?」

「殿下あぁ!?」


ぼくに爪を向けた!?



『バシャアァン!!』


幸い。

【水化】して難を逃れたモノの…



「殿下!?ご無事で!?」


声を上げたルフに



「なんとかぁ〜…」


少し離れてヒトに戻りながら

答えると…



「レオンは直情的なヤツですが…だ、だからと言ってさすがに!殿下に手を上げるような者ではありません!もしかして…」

「…操られている?」


毒花は昔っから、ヒトを(もてあそ)ぶのが好きだった。

まさか、リオンとアスラムも…



「ちっ…オイ!少しくらい手伝ったらどうだ!?」

「シュシュはこのヒト。苦手なのですぅ〜う〜!」


っと!

そうだった!



「よ、よし!えぇと…あ、『雨よ そなたは虹の使者』…」


仲間が操られているのはとても残念だけど…

今は感傷に浸っている場合じゃない!



「ウォーターアロー!…いっけぇー!!」


できるだけ沢山の水矢を生み出したぼくは

彼とお耳ちゃん。2人を援護するように矢を放ち…



「【決戦の白】!…みんな!頑張って!!」


ルフも術で支援した!


けれど…



「あーっ!…くっそ!コイツ、ギロチンで斬れねーぞ!?」

「にゅう!ショーテルの毒も効かないのです!」


剣の彼もお耳ちゃんも、

想像以上に苦戦していた!?



「ったく!どうなってやがる!?」

「にゅうぅ〜…こんなの初めてなのです…」


魔法の剣も、剣の毒も

効果がない!?



「クッソ!どうすりゃ…」


剣の彼の言葉に…



「…そ、そうです!」


声を上げたルフは



「し、【真鑑(しんがん)濃色(こきいろ)!】」


唱えた!

すると…



「うをっ!?」

「みゃっ!?」


辺りが濃い紫色に包まれ

そして…



「…な…なんだ…?コレは…?」


アスラムとリオンの四肢に。胴に。そして首元に。

十数本の…


「…糸?」



「ずうっ…と。上の方から…。みぃ…最後まで。見えないのですよ…」


…お耳ちゃんが続けた通り。


アスラムとリオンは空の彼方から垂らされた”糸”に

(くく)られて…



「…ま、マズイなぁ…」


更に、ルフが声を出し…



「…どうやら2人は…ユ、【世界樹(ユグドラシル)】に。操られているらしい…」

「「…は?」」「にゅ?」


世界樹に…操られている?



「く、詳しくは僕にも分からないんだけど…と、とにかく!この糸は世界樹に続いているようです。おそらく、そういう呪ぃ…」


呪い…

ルフのその言葉の…



『パチィンッ!』


…直後!



「今のはっ!?」


指をこする音と共に



『!!』

「にゃっ!」「はぁ~…ヤレ、ヤレ…」


アスラムとリオンの真上に

魔法印を(かん)した



「星!?」


そして!!



『『ズズウゥン…!!』』


床を(ひしゃ)げる衝撃と…



『グブギォ!』

『バギイィン!!』


ぼく達を翻弄した金属と肉の塊を…



『グ、ググ…』

『ギギ…メギッ!』


…あっけなく潰す。

万象の支配者…






「・・・ふぅ・・・」


…奥から。小さな溜息と共に

歩いてきたのは…



「・・・お待たせ。みんな。」


ひとりの小さく、そして偉大な



「・・・タイヘンだったね・・・」


「…ったく!」

「さすがご主人様なのです!」

「あ、あははは…」

「…いやはや…」


魔ノ女だった………

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