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まほー(物理)  作者: 林檎とエリンギ
10th Theory
424/476

Chapter 035_剣と魔法

「うにゃん!」


…と。

ご主人様のモノから

急いで飛び降りたシュシュは…



「みぃ…」


とりあえず…

魚と一緒にドコカにいっちゃったナイフを

新しいモノと交換して…



「うぅ…、ナイフがぁ…。ご主人様に、ナンて謝ろう?…ドレーの”せい”って言えば許してもらえるかにゃぁ…」

「…おい。」


…ソレから。

周囲の様子を確認する事にしたの…



『…』


3つ頭の竜は…

ドレーがあけた穴に落ちゃって。

気配も感じ無い(還っちゃった…?)から、

とりあえずは放おっておこう。



「に…」


一方のお姉ちゃんは?

というと…



「・・・」


…少し離れた場所で

剣を片手にシュシュとドレー…2人を瞳に沈めて

静かに佇んでいる。か…


たぶん…

シュシュ達の出方を見てから

動くツモリなのだろう…



「…」


うぅぅ…、マズイにゃあ〜…


あのお姉ちゃん。スッゴく強い…

人間なのにシュシュのスピードに追い付いてくるし、

戦い慣れてて誘いにも乗ってくれにゃい…



「…ぉぃ」


ご主人様のお星様が来る前にシュシュひとりで倒して。

いっぱいナデナデしてもらうツモリだったのにぃ…



「…おい。」


ご主人様より先…どころか。

そもそも倒せるか…?



「…お…」



…なんて。

考えていたら…


「にゃんですかサッキから!?…うるさいうるさい!ですよ!」


ドレーが話しかけてきた?



「…聞こえているんなr…」

「ドレーのメーレー聞く必要は無いのです!」


視線はあくまで、お姉ちゃんに向けたまま。

ドレーに叫ぶと…



「…はぁっ」


小さくため息を突いてから



『カチッ…』


剣を…



「み…」


…構え…?



「合わせろ!!」


…飛び出した!!



「メーレーするなって言ったですーっ!!」


とはいえ!


タイミング合わせて、

シュシュも飛び出す!



「はあぁっ!」


真っ直ぐお姉ちゃんへ向かうドレーと



「…」


回り込んだシュシュに



「『めn・・・』」


お姉ちゃんは小声で唱…



「!」


柵魔法!?

それにゃらっ!!



「っ!」


ドレーも

お姉ちゃんの魔法に気付いた!



「・・・『の願い』・・・」


2人の距離は間合いの0.83歩手前!!



「『火種よ』!!」


このまんまじゃ、行く手を阻まれたドレーが

斬られちゃう!


だから…



「フェン・・・」


2人の間に飛び込みナイフを突き出し!


「・・・ス」「インジェクション!!」


生まれたばかりの蔦の芽を

『バアァンッ!!』と焼き払う!!



「っ」


お姉ちゃんの、

驚き悔しそうな視線と…



『ガギィンッ!!』


シュシュが燃やした蔦を飛び越え斬りかかったドレーの

鍔迫り合いを…



「みぃ!」


身を低く…地面を『ズザザッ!』っと、して

頭の上に見聞きしながら!



「『芽の願い』」

「「!!」」


2人の剣の下に『グリンッ!』と入って



「フェンスッ!!」


唱える!!







「くっ・・・」


けどっ、

お姉ちゃんの動きも早くって!?



「なっ!」

「あにゃんっ!?」


ドレーの剣と(かたにゃ)の刃を

合わせたまま…



「・・・、」


背中から倒れ込み!?



「せいっ・・・」


滑らかな動作で足を伸ば…



「うにゃあんっ!?」


い、今。シュシュが生み出した蔦の合間!?から、

足を伸ばしてシュシュを蹴り飛ばした!?


器用過ぎるにょ!



「げっ!」


ドレーはジャンプで

飛んできたシュシュを避け…



「あーにゃあぁー!?」


シュシュは飛ばされ…



「よっ・・・」


って!?

がんばって唱えたシュシュの柵魔法から難なく足を抜いて…





「・・・っと」


…さ、更に!?



「うぎゃうっ!?」


…先回りして、シュシュにキックぅ!?


お姉ちゃん…に、人間だよね!?

どういう運動能力してるにょ!?



「ぎゅぅぅ…」


…っとと!

驚いてばかりもいられない!!



「・・・」

「っ!」


お姉ちゃんの追撃の気配に気づいたシュシュは、

痛む腕を我慢して、お腹をバネに立ち上がって



「うみゃっ!」

「あ・・・」


ジャンプぅ!!



「えふっ、えふっ…あいたたたたぁ…」

「ちっ・・・」


距離を取ると、お姉ちゃんはいったん、



「・・・」


刀を…下ろし



「っ!」


突っ込んできた!!!



「っ!」


逃げられない!!



「うみゅぅ~…」


自信ないけど…し、仕方ない!!

お姉ちゃんの刀を受けるべく!



「・・・っ!?」


ナイフとショーテルを

同時に!

前へ!!




『ギヂャンッ!!』


衝撃を



「ぎにゅ…」


倒れ込んで…



「…にゃあぁっ!!」


…逃がしつつ!



「むっ・・・」


ショーテルで刀を



「にゅふふふっ!」


絡めとったぞ!



「はあぁっ!!」


その隙に!

駆け込んできたドレーが振りかぶっ…



「・・・」


ってぇ!?


背中に迫るドレーに気付いたお姉ちゃんは体を捻って



「ぎにゃぁーっ!?」


シュシュのお腹を。地面に押し付け…

…うぎゅぅうぅ!!



「・・・」


シュシュの身体から力を奪って。

ショーテル弾いて、刀で…



「っ」


迫る奴隷の剣を



『ギギャンッ!!』


受け止めたぁ!? 



「くそっ!?」


なっ…

な、ならぁっ!!



「…」


ドレーに視線を送って!



「!…はあっ!」


気付いたドレーが

もう1度、振りかぶって!



「・・・」


お姉ちゃんの意識がドレーに向かった…



「えいにゃん!」


その瞬間!!

殆ど力入らない腕を…無理やり動かして!


零れ落ちたショーテル掴んで!



「うー…!」

「むっ・・・」


気付いたお姉ちゃんが

突き下ろした刀は…



「よっ!」

「む゛っ!?」


『ガキィンッ!』っと、

シュシュの目の前に刺しこまれたドレーの剣が受け止めて!!


その隙に!



「にゃー!」

「あっ・・・」


ほんの…ひと傷でいい!!



「っ」


…お姉ちゃんの。

綺麗”過ぎる”脚に…



「いっ!」


小さな小さな


赤い線を!!



「やった!!」「いいぞ!!」


けど、

ドレーと一緒に喜んだのも…



「うぐっ・・・くうぅ!!」


…束の間で!?

お姉ちゃんは顔をしかめながらも



『ドンッ!』


ドレーと交わした剣はそのまま



「ぐひにゃ!」


シュシュを蹴飛ばし!?



「うをっ!」


下に向けていた刀を傾けて力の軸をズラし、

それを受け止めようと上向きの力をかけていたドレーの。

剣の…



『カキィンッ…』


は、反発力を利用して

飛び上がりぃ!?



「ふぅ・・・」


距離を取ったぁ!?



「…くっそ、器用なことしやがって!?」


けど…



「うっ・・・くぅ・・・」


さ、さすがに!?

ショーテルの麻痺毒が効いてきた(むしろ、大っきな魔物でも『チクッ』とするだけでひっくり返っちゃうハズなのに、このお姉ちゃん。どうして数秒耐えられたの!?)お姉ちゃんは

体を丸めて倒れ込んだ!


こんなチャンス、逃すワケにはいかないよ!



「てててぇ…」


けど…

かく言うシュシュは


お手々とお腹が

とっても痛くて…



「…任せろ!」


悔しいけど…




「・・・こ、『小指に毒を』・・・」


…って!?



「『薬指に』・・・」


この呪文は…治癒魔法!?



「くそっ!」


気付いた奴隷は足を速め



「…っら!」


焔のドワーフの里でもらった”おりはるこん”の剣を振り下ろ…



『ブシャッ!』


…した。



「なっ!」「みゃあっ!?」


その瞬間!?



『バシャアァン!!』


銀色ボールがお姉ちゃんから飛び出し…弾けた!?



『リャアァ!』

『・・・コクッ!』


ヒュ、ヒュドラァ!?

全部倒したと思っていたのに…まだ、

残っていたの!?



『ブシュルルルゥ!!』


あのヒュドラ…お姉ちゃんの体から”(にじ)み出て”きた

ように見えた!


たぶん…ご主人様と同じ様に

いざという時に備えて、”血管の中を泳いで”いるんだ



「あぁ、クソッ!!ほんっ…っと、メンドクセーなぁ!!」


数は1頭だけみたいだけど…




『ブシャルルゥ!』


金属なのに『パシャン!』となれるヒュドラは

ドレーとの相性が最悪!



「くっ…し、仕方ねー!来い!ギロチン!!」


襲いかかるヒュドラに…



「クソ邪魔な蛇を斬り落とせ!!』

『ブシャルゥ!?』


ドレーが。手間取っている…



『…りゅ、りゅり…るゅぅ~…っ……』

「…っ、。はぁ〜…ったく。手間取らせ…」


…その間に



「・・・『祈り込めて払い清め』」

「…げ。」


お姉ちゃんは

完唱しちゃって…



「ディスペル!」


発現!?



「ちいぃっ!?」


にゃあんっ、もおっ!!



「ドレーの役立たず!!」

「仕方ねーだろ!?」


さっさと”便利包丁(…と。ご主人様は呼んでいた)”を喚べばよかったのに!?


グズグズしているからこうなるんだ!



「にゅう〜…」


ホントは、

もうちょっと休んでたいケド…



「・・・ふー・・・ふぅ・・・」


(なお)したばかりのお姉ちゃんは。

まだ、立ち上がるのも難しいらしく

フラフラしている…



「…にゃーっ!!」


…今のうちに!



「・・・くっ・・・きゃっ!」


駆け出したシュシュに



「ふにぃ〜・・・」


立ち上がろうとして…失敗して。

尻もちを突いたお姉ちゃんは



「・・・あ・・・あぅあぅあぅ・・・」


目尻に、いっぱい涙を貯めて。

それでもナンとか、立ち上がろうと…



「っ・・・」


…ふと。

ドレーが開けた穴ボコに…



「・・・助けて・・・」


…瞳を。



「・・・沙羅(サラ)ちゃん」


…っ!?!?






『グギュオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ォ゙ォ゙ォ゙ッッッ!!!』

Q : 戦うシュシュたんは好きですか?

A: 大スキー!

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