第93章 本の感想
1時間ほど、それぞれ分かれて本を読む。
特にエルハード文書についての項だ。
「……どう?」
「いや、どうと言われてもね」
カイツが聞いたが、一番詳しそうなサバルであっても、この本を読み解くのは骨が折れるようだ。
「とりあえず流し見だけど、なんとはなく分かったことはわかったよ」
それでもさすがは副船長をしているサバルだ。
なんとなくでも、本の内容をそれぞれ理解できたようだ。
「それぞれのところであってもエルハンドラ帝国というのは、全人類が以前いた世界で、もしくは始まりの大帝国で、今の世界というのはそこからの派生していった先の世界っていうことみたいね。これが共通していること」
「それで?」
「エルハード文書はこの帝国の歴史書みたいなもの。原文はとっくに失われているけど、伝説的なものとして噂だけが残っているっていう形ね。歴史書だから、これが書かれているタイミングまでの歴史がまずは詳しく書かれているの」
「なんだ、だったら血眼に探しても意味ないじゃないか」
アルコックは残念そうに、頭の後ろに腕を組んでつぶやいた。
「ところが、これがただの歴史書じゃないのよ。このエルハード文書には、全部で13章あって、このうち第10章から第13章が当時のエルハンドラ帝国の未来について書かれたものらしいわ。ここには世界を統一するための秘密が書かれているという話ね」
「で、それを局長は探していると。自分こそがこの大混乱を収めるために」
「そういうことかもしれないわね」
カイツの意見に、サバルは肯定した。




