表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
三方向作戦! 三カ国を巡るリーヨンちゃんとピコちゃん編
75/363

9月12日 オークの国 小説家キログラム氏の家で焼肉をごちそうになる

 おそらく平成26年9月12日

 剣暦××年8月12日


 オークの国オーバーラブ

 王都グレーテルオーバーラブ

 キログラムさん家



 今日は珍しく、昼間に日記を書いている。


 まず、オークの小説家、キログラムさんはこの国では知識人としてよりも、趣味人として名が通っている。

 古来の美術品から最新の実用品だけでなく、ほとんど手に入ることのない異国製の品も隠し持っている。


 そんなキログラムさんのコレクションで彼が最も価値があると思っているのが、今日の昼に取りだしてきた『鉄板』であった。

 この鉄板、ドワーフ製で、畳一枚分くらいの広さがある。

 変哲のない板なのだが、どうやって作ったのかを考えると、なかなかに凄みのある品。

 工業機械なんて存在しない世界。凸凹も歪みもないなめらかな金属板を手作業で作る技術なんて、そう簡単にあるもんでもない。ホームセンターで買ってくるようにはいかないのだ。

 キログラム氏は言った。この鉄は、ラドゥバレトフ大陸で最も綺麗な面を持つ形状なのだと。


 それを聞いて僕は思ったものだ。


 おいしい鉄板焼きが作れそうだな。




 今日の昼ごはんは、キログラム氏の家で、彼の家族と焼肉をすることにした。

 僕とユキくんがお家を訪問すると、上記の鉄板を石竈の上に置いて、下で火を燃やす。

 おいおい、貴重品でそんなことしていいのかよと思ったが、オーク一の収集家は、オーク一の奇矯者でもあったらしい。使えるものは使っていく派。


 肉とか野菜を焼いて、オーク秘伝のたれにつけて食べる。

 なんか、オークの食事って日本人向けの味付けなのよね。


 本能として武器を握ることのできない獣頭人は、価値観の延長線上で、ナイフやフォークも使うことがどうしてもでいない。だから、手掴みか、皿を舐めるのだが、そうすると、ユキくんもバーベキューは相性最悪だった。

 串も駄目なのか確認したが、どうしても使えないらしい。

 竹串もだめなのかと握らせたら拒否反応を示した。

 そこで、野菜に挟んで持たせたら食べれた。

 何が駄目なのだろうか。遺伝子に刻まれているのか。



 正午の鐘の音を聞いて、ああ今からリーヨンちゃんが儀式始めるんだな、と心の中で大聖堂の内部を夢想する。


 見てみたかったなあ。

 儀式が終わった後、見学が可能ならば、見てみたい。




 さあ、肉が焼けた。


 昼御飯だ。



 ちなみに、今日の肉は羊の肉とか。

 え、ジンギスカン?


 平らな鉄板だと、まずくない?


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ