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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
三方向作戦! 三カ国を巡るリーヨンちゃんとピコちゃん編
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9月6日 オークの国へ出発することに

 おそらく平成26年9月6日

 剣暦××年8月6日



 今日の夕方、オークの国オーバーラブに向けて出発する。

 ヨロイダチョウを使えないため、急行馬車を乗り継いで、夜通し駆ける。

 ピコちゃんのことはデミトリに。

 姫様のことはレンちゃんに任せることにした。



 ※※


 よくあることだが、ブッキングした。


 午前中に、この前迎えに来てくれた法務局の役人さん2人がまた訪ねてきた。

 僕と法務卿の仲が少しよくなったことを知っているのか、以前に比べて低姿勢。


 今日、応対係をしているコムちゃんとサイちゃんには、身体検査はしてもいいけれど、エルフ刀を首筋に近づけるのはやめろと強くいったおかげか、お客さんをおびえさせずに済む。


 持ってきたのは、手紙。

 法務卿アルミナ公からの招待状。

 内容は「剣暦8月11日から8月20日まで領地視察ということで夏季休暇をもらったから、その間に来てくれたら供応させていただく。もし、都合が悪ければ、この手紙をセンチペドの私の屋敷の者に見せてくれれば、もてなすように言っておく」とのこと。

 ぜひ、行かねば。



 卿によろしく、と言伝を頼み使者に帰ってもらった後、ピコちゃんに手紙を見せた。

 丁寧に、エルフ語訳も添付してくれていた。

 若干僕がもらった内容と違うところがありそうだが、ピコちゃんにだけ伝えたいことがあるなら、それもありだ。

 手紙を読み終わると、楽しそうに窓拭きを再開した。





 午後、箒に乗った魔女が飛んできた。

 あの、ずーずー言う訛りの激しいグラスフィールド担当の魔女だった。

 手紙の送り主はオークの国外交官キログラム氏

 手紙の内容は「草原の国使節団が来るまでに、我が国に来て、リーヨン様の説得を始めてくれ。先の約束(リーヨンちゃんの説得)が守られない内に次の約束(草原の国との条約締結)の話が始まってしまうと『経典』に沿って、使節団を害することになるかもしれない」

 Oh……。


 デミトリに確認すると、使節団がオークの国王都グレーテルオーバーラブに到着する予定日は剣暦8月11日。



 先に言えよそういうこと。



 後、5日以内にオークの国オーバーラブを目指すことになった。


 日記書いてる場合じゃねえ!



 今日中に出発する。


 ……ピコちゃんどうしよう……。

 



 悩んでいたら、またお客さん。



 玄関にメイドがいた。


 うちのメイド達の着ているのより、上等な生地のを着た、年若い少女。

 

 なんでこの人が家に来るんだ?


 イリス王女の御付メイド兼護衛官 スノウ・ヤワラ


 彼女は僕を見るや一礼して、懐から手紙を出した。


 姫様からの、手紙。


 どうやら、昨日のことを謝る手紙で、また会いたいので城に来てほしいという、


 招・待・状!



 もちろん日時は剣暦8月11日



 こんちくしょう……。


 これブッチしたら、ついに姫様は僕を刺すかもしれんぞ……。



 スノウさんに説明しようとして、そう言えばこの人は口が効けないし、日本語わからないことを思い出す。

 身振り手振りで意思疎通はできるが、僕がこの日行けない、というジェスチャーをしたら、眉をしかめた。


 そして、ジェスチャーで、『そんなことしたらアレがかんかん!』とか伝えてくる。

 そんなこと言っても……。



 こんちくしょう、どうする。



 いや、こういう時こそ、一つ一つ紐解いていけばいいのだ。



 その場で姫様宛に手紙を書く。


 内容は「ちゃんとしたデートにしたいから月末まで時間を下さい」


 これで、間違いなく姫様は納得する。はず。



 スノウさんに手紙を渡して帰ってもらった後、デミトリを呼ぶ。



 状況を説明。ぷーくすくすと笑われた。この野郎、主人の危急を……。


 そこで、御願する。


「ピコちゃんを一人で行かせては、アルミナ公の立場としてよろしくない。しかし、案内人としての契約しているなら、公爵邸に入っても問題ないはずだ。デミトリ、僕の名代としてピコちゃんを案内人につけて、センチペドに赴いて欲しい。先代フレイムロード候の元個人副官なら、公爵の家に遣わしても失礼にはならんだろう。今すぐ出て欲しい」

「しかし、名代としても、何の名目で行きます?」

「僕の手紙を届ける。墨豊に、マッハでなんかいい文章を書いてもらって! 文面は任せるから!」

「なんと……」

「いいんだよ、本当に名目なだけで、ピコちゃんと2人の時間を過ごすのが公の望みんだから」

「はは」


 次に、ユキくんだ。


「ユキくん! オークの国に行ったことは」

「ないのです」

「今から行こう」

「了解なのです」

 すごい! 軽い!


『イオちゃん 出掛ける 留守番 頼む』

「はい いってらっしゃいませ」

 

「レンちゃん 留守を任せる。もし、もしも姫様から呼び出しがあったら!」

「はい、お任せください。カンテラ様の旅先の失敗エピソードでも聞いていただいて、暇つぶしをしていただきます」



 よし


 これで、大体の対策は打てたはず。



 強行軍。日記を書いてる暇がないかもしれないけれど、可能な限りの全てを利用して、次の週末を乗り切るぞ!


 

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