或る実験レポート
エタっててごめんなさい。
リハビリがてら、ちょっとした設定語り回
主題:吸血鬼型ノスフェラトゥの人造デイライトウォーカー化について(フォーレリア小隊研究報告211号)
研究者:フォーレリア小隊(《鮮血嬢》麾下 特殊軍令研究部所属)
前文
吸血鬼型ノスフェラトゥにおいて、日光に対する強い脆弱性は広く知られるところであり、その対策は古今東西様々に模索されてきた命題である。
しかしながら結果的にそのどれもが明確な結果をもたらすには至らず、デイライトウォーカー化という現象は今日に至るまで突然変異にも似た個の才覚に依存せざるを得ない状況である。
この度はアビゲイル様の命によりフォーレリア以下3名の研究小隊が実施した人造デイライトウォーカーについての研究に関し、報告を上げるに至った次第である。
主文
特殊な方法により育成したアルラウネの種を吸血鬼型ノスフェラトゥの心臓部分に移植することにより、疑似的なデイライトウォーカーと化すことが可能である。
詳細
アルラウネという種族は元来太陽に対する種族的親和性が高く、その種においても太陽及び光に対する親和性を保持していることは以前の研究によって実証されている。(フォーレリア小隊研究報告192号)
過去にもその種に着目し、吸血鬼型ノスフェラトゥへの融合等の研究は行われていたが、太陽に対する親和性の源である太陽性の魔力により吸血鬼型ノスフェラトゥの被験者が死亡する等の痛ましい結果となった。(フォーレリア小隊研究報告195号)
また、太陽性の魔力の減少を目的としてアルラウネを太陽に当てずに育成した場合、太陽への親和性を十分に獲得できず、デイライトウォーカー化に至らない、という結果となった。(フォーレリア小隊研究報告197号)
そのため最近の研究においては、太陽性の魔力を十分に蓄えたアルラウネの種に、以下にして吸血鬼型ノスフェラトゥへの親和性を保持させるか、に焦点を当てている。
本研究報告では定住型アルラウネの個体に対し、突然変異型デイライトウォーカーの血液を与えることにより、太陽による栄養と血液による栄養を同居させる実験の結果を報告する。
アルラウネの寿命である約一年間の間、一日当たり1滴、3滴、5滴、10滴をそれぞれ3個体ずつ与えた。
結果として、1滴では吸血鬼型ノスフェラトゥへの親和性が低く、5滴及び10滴では吸血鬼型ノスフェラトゥの魔力が強すぎてアルラウネが死亡した。
3滴与えた個体の種は太陽及び吸血鬼型ノスフェラトゥへの親和性を両方獲得することができ、これを心臓部分に移植することにより、疑似的に吸血鬼型ノスフェラトゥをデイライトウォーカーと化すことが可能となった。
特記事項として、前述の一日当たり3滴の血液を与えたアルラウネの個体は発生から約6ヶ月が経過した時期に外見を特徴的に変化させた。
漆黒の体表と赤い眼球に変化したこの個体は種族を問わず他者への強い攻撃性を持ち、また血液への高い関心を示す事から、移動型アルラウネがこの状態になった場合育成に支障が出る可能性が高い為推奨しない。
また、血液への高い関心に応じて血液滴下量を増加した結果、こちらも種を発生させる前に死亡した為、追加の血液滴下は厳禁とする。
既存の通常アルラウネと、この特殊なアルラウネを区別するため、フォーレリア小隊においてこの状態のアルラウネを『ガルゲンメンライン』と呼称する。
今後量産する場合には呼称の変更の可能性有り。
他方、ガルゲンメンラインの種により疑似的なデイライトウォーカーと化した吸血鬼型ノスフェラトゥについて、問題点はまだ残る。
疑似的なデイライトウォーカーと化した個体が、移植手術以前の記憶の多数を喪失するケースが続発している。
これについては精神操作に長けた幹部級ノスフェラトゥによって偽の記憶を埋め込むことにより、実験態が現在13体実地、即ち日光下での行動実験を継続している。
そのため、重要な情報を保持している隊長級以上のノスフェラトゥに対しては本手術を実施することは非推奨とする。
また、ガルゲンメンラインの種であっても吸血鬼型ノスフェラトゥの個体によって適合しないことも少なくないため、未だ個人差に成功率が左右されることが今後の課題である。
以下、さらに詳細な実験数値等は別紙参照
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この文章は、"翡翠"アルネア・ホーンネールによって壊滅したノスフェラトゥの拠点から発見された。
これが真実なのかどうかは定かでないが、事実としてデイライトウォーカーと思しきノスフェラトゥの個体が世界各地で確認されている事は事実であり、早急な対応が必要である。




