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ご褒美ください

短いです


テストから1週間たった今の私の現状を説明しようと思う。あれから悪口や陰口は増えたものの、物理的ないじめはなくなった。体育の授業も、体調が悪いときは休んでいるんだけど、最近調子が悪くて休みがちだ。彼女や先生はあまりいい顔をしないけど。


それに比べて勉強は前よりも力を入れている。これでは病弱のレッテルついてしまうだろうな。嘘ではないけど、彼女よりも上にたつには病弱のレッテルは不名誉な事な気がする。


でもそれではいけないのだ。いくら彼女の考えが可笑しかったとしても周りは信じてしまう。それが厄介。なのに私が言っていることは信じてもらえない。先生も、力になってくれない。

それを変えるには、めんどくさいけど彼女よりも上に立たないといけない。 


今の私は家族と碧斗がいなければ、本当に死んでいただろう。

生きることが楽しいと感じている私は、随分と人間らしくなったと思う。いつの間にか深くはまっていた心の闇から、碧斗が救いだしてくれた。頑張ったら彼に褒めてもらえる。幼稚なことだけど、私にとってはずっと求めていたもの。彼だけが、私に与えてくれた。


碧斗に対するこの気持ちは、一体何なんだろう。深くは考えないでおく。


何となく察してもらえるかもしれないけど、私は人と付き合うのが少し苦手だ。なんで碧斗と気楽に話せるのか今でも分からないくらいに。高等部を卒業するまでには直しておきたい。


物理的ないじめはなくなったし、疲れたら休めるし、友人が近くにいてくれるし、平和だな。と思っていたのがいけなかったのか。


今日は残念なことに碧斗が休みだ。碧斗がいないなかで、周りからの攻撃をかわしていくのは少し不安だけど、そんな隙を見せたらいけない。


私が周りを警戒しながら行動していると、あっという間に昼休みになった。さっきは彼女からのお友だちになりましょう攻撃を受けていたので若干やさぐれているけど、時間はすぐに過ぎてしまうので持ってきたお弁当を食堂の端でひっそりと食べていた。


「鈴野さん、少しいいかしら」


お弁当を食べていたら、後ろから声を話しかけられた。誰だろう。恵利華信者か?さっきまでこう言う絡みはなかったから戸惑ってしまった。でもその相手を見て安心した。彼女は同じ学年の滝澤さんだ。


「わかりました。ご用件は?」


冷ややかにそういい放つと、滝澤さんは少し怯んでいたけどすぐに元に戻った。


「その突き放すような態度、どうにかならないのかしら。最近調子に乗りすぎよ。いや、そんなことが言いたいんじゃないわ。貴女、恵利華様を敵に回したと聞いたけど本当なのかしら」


「はい、本当ですよ。私が彼女を煩わしい敵だと判断しました」


私が肯定すると、滝澤さんは鼻で笑った。


「ふっ、恵利華様を敵に回すなんて馬鹿ね。あとで後悔しても無駄よ」


「後悔なんてしてません。私は今まで何もせず、頑張りもせず、されるがままだったのですが、それをやめたんです」


私がこのような発言をするのが珍しかったからかもしれないけど、滝澤さんはすごく驚いていた。


「貴女変わったのね。精々頑張ればいいじゃない」


そう言って滝澤さんは身をひるがえして去っていった。彼女は真っ直ぐなタイプで、悪い人ではないんだけど少しズレているところがある。


その日は声をかけられても容赦なくあしらって終わった。放課後、誰とも話さず家に帰りたかった私は、生徒専用駐車場に止まっている車に乗った。



◇◇◇

次の日


休んでいた碧斗も戻ってきて、昨日何もなかったのかとネチネチ聞かれた。一応全て話しておいた。


学年の廊下には、この前やったテストの順位表が貼ってあった。この学園では、珍しく一年生全員の順位が貼り出されるようなっている。


私は碧斗と一緒に一位が貼り出された場所に向かった。一位の順位が貼り出されている方には人が沢山いて、彼女が何位を取るのかを見に来るのだ。


そして、一位周辺の人達が騒いでいた。泣いている人もいたし、嘘に決まっていると怒っている人達も、放心状態で固まっ

ている人達もいた。その理由は………



 1位 鈴野 亜莎紀  900点

    雪野木 碧斗  900点

 3位 花影 恵利華  898点 



私達の狙い通り、彼女を差し置いて二人で一位になったからであった。私と碧斗は小さくガッツポーズをした。あとから聞いた話だけど、彼女は初等部の時から今まで1位を保ち続けていたらしい。


これはまだ最初の一歩だ。これからも頑張っていこう。


「亜莎紀、一位おめでとう」


「碧斗もおめでとう」


私がそう言うと、碧斗は私の頭に手を伸ばし、頭を優しく撫でてくれた。


「よく、頑張ったな」


それがどうしよもなく嬉しかった。









お読み頂きありがとうございました。感想とか評価とかも、していただけたら嬉しいなと思います。これからも頑張ります。

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