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職員室は危険地帯

短いです…。


私が碧斗に撫でられていると、


「やっぱり私の居場所は少しずつ奪われていっているのね」 


そんな声が聞こえた。隣には、悲しそうな顔をした彼女がいたから、声的にも立ち位置的にも言ったのは彼女だろう。

どうして自分の実力が足りなかったと思わないのか分からない。悲劇のヒロインだとでも思っているのだろうか。心の中で思うことなんて私には止められないからな。思うことは自由だが、それも度が行き過ぎると駄目なのだ。


どちらかと言うとそれは私なんだけどな。まあ、悲劇のヒロインで終わらせないけど。

彼女には、もうそろそろここが現実だと分かってもらわないと危ない。私が、とかではなく彼女が。


彼女はこれから私がしていくこと全てを乙女ゲームのせいだと思い込み、追いつめられ、いつか壊れてしまうだろう。可能性は低くはないのだ。


多分、彼女は悪い人ではない。ただ単純なだけで。前よりかは嫌悪感も減った気がする。嫌いだけど。私は彼女の敵だ。そう言ってしまった。


でも皆は彼女のことを女神だの聖女だのとちやほやしておきながらも本当の彼女を見ようとしない。

そもそも私をいじめてきたのも彼女ではない。彼女の周りを取り囲む人達がいじめた。


彼女のことも助けてあげられるかもしれない。優しく諭すなんてことはできないけど、現実を突き付けて彼女を前に押すことならできるだろう。これなら敵でもやっていいんじゃないか?


彼女の性格は好きではないけど、誰でも突き放していてはいけない気がする。目を背けているだけで気付いていないことも沢山あると思う。


また、近いうちに彼女と話そう。そう決めた私であった。

場合によってはあの人、とか貴女、とか彼女呼びでは無くなるかもしれない。可能性は高くはないけど。


それからの時間は大変だった。皆はカンニングだと言ってくるし、先生からも怪しまれるし…。唯一の支えが碧斗だけだった。

やっと家に帰れると思っていた頃に、それは突然鳴り響いた。



ピーンポーンパーンポーン



何だか、嫌な予感がする。


『1年、鈴野亜莎紀さん、鈴野亜莎紀さん、至急、職員室まで来てください』


嫌な予感、見事的中。何でこんなタイミングで放送がかかるんだろう。それに職員室って嫌な予感しかしない。絶対ろくなことにならない。私は、どんなに鈍感な奴でも気づいてしまうほど先生に嫌われている。授業も真面目に出ていなかったし、先生から異様に好かれている彼女を嫌いと言った人物だし。嫌われても仕方がないかもしれない。


前の私ならそう思って、そのままスルーだろう。けど、私は職員室に行こうと思う。私は最近は授業も真面目に受けているし、彼女との仲は最悪だけど、成績も上がった。体育だって体調が悪いとき以外はそつなくこなしているし、他の教科だってきちんと受けている。


それでカンニング扱いは納得いかないし、私の誠意も見せておかないといけない。嫌われてもいいから信頼が欲しい。私の本気を精一杯出すと言うのも言わないと。それくらいでいいかな。これはやっぱり碧斗に報告した方がいいかな。いや、園内放送だから碧斗には聞こえているか。


全員の先生から嫌われていると言うわけでもなくて、嫌われていない先生が1人だけいるのだ。

私に味方の先生がいないわけではない。養護教諭の森岡先生がいるのだ。養護教諭の先生とは、何十回も私が保健室に行ったせいで仲が良くなり、先生の中では一番頼りになる人だ。


けど、保健室に行ったときにしか会えない。


そんなことは置いておいて、取り敢えず職員室に行こう。行ったら誰かしら遅いとか言って罵ってくるだろう。

大人ってめんどくさいんだよね…子供の何倍も心が荒んでて。


ため息が止まらない。


だんだんと職員室に近づくにつれて気が重くなってきている私だけど、


「亜莎紀!」


後ろから救いの声が聞こえた。瞬で振り返ると、そこにはやっぱり彼がいた。


「碧斗、どうしたの?」


「俺、亜莎紀についてく。職員室に亜莎紀1人で行くのは絶対に危険だ。何でも自分達の良い方に持ってこうとするやつらだから」


碧斗がいてくれれば助かる。けど、碧斗の職員に対する態度が凄く悪い気がするから、行ったら揉め事になりそうだ。


なにか起きる前に言いたいことだけ言って去ろう。


「分かった。一緒に行こう」


このあと二人で職員室までゆっくりと歩いた。








ブクマや評価など、ありがとうございます。日々の励みになっております。これからも頑張ります!

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