初恋ハンター☆うらら
※ 今回、麗が幼児とはいえセクハラしてます。幼児による幼児語とは言え、ヒワイ語も出てきています。おおらかな気持ちでお読み下さい。
自他共に認める地味男だが、昔馴染みの麗からは『のんちゃん』と可愛らしく言われている男・・・それが俺、牟田望だ。
その麗曰く、俺が偵察した桃野すももの初デートは『ダメダメ』だったそうだ。
まあ、偵察していた俺もそう思ったがな。
デート相手に向かって、他の男を絶賛したらダメだろ、フツー。
まあ、他の男っていうのが『麗』なのがフツーじゃないんだけどな。
麗はフツーじゃねぇ。
非難しているわけじゃねぇ。区別しているだけだ。
俺と麗の出会いは乳児時代だった。
同郷、同じ歳なら公園デビューも同じ場所だしな。
物心ついて麗を認識し始めた頃、麗は同郷では知らぬ者が居ないほどの有名人だった。
『アタシ、麗っていうの』
銀髪のサラサラした髪は母親の趣味かおかっぱで。
紫色の大きな目はクリクリと輝き。頬はばら色。
で、常に白いフリフリしたシャツに、白いキュロットを履いていた。
ああ、スカートじゃなかったさ。
でもフツー女だと思うだろ、あの喋りだしよ!
が、麗は男だった。でもってゲイだった。
麗は同郷の同年代の男達の初恋を全て掻っ攫い。
長じて同郷の同年代の女達の初恋も全て攫った。
男達は麗が男であると知り初恋を散らし(一部は果敢にチャレンジして、その操を散らし)。
女達は麗がオネエであり、同郷の一部の男達を食い散らかしたことを知り、初恋を散らした。
しかし恨まれることは一切なかった。
それが麗という人物だ。
容姿端麗、文武両道、気配り上手、料理上手。
完璧な麗を身近にしたのが『オネェ』という個性だった・・・のか? まあ、よくわかんねぇけど、麗は人気者だった。
同郷のヤツラは今でも集まると『麗が初恋じゃない奴変じゃね?』というくらい麗大好き人間ばかりだ。
不覚にも俺の初恋も麗である。
「ウフフ☆ のんちゃんのおちん○ンより、麗のほうがおっきいわねぇ~。ホラ!」
この台詞で見事散ったけどな!!!(4歳当時)
***
初恋が散った衝撃から二十数年。
俺と麗はまだ腐れ縁が続いている。
正確に言えば、俺が麗の依頼を受けないと食っていけねぇから縁を切れねぇ。
というわけで、前回に引き続き、桃野すもも・・・通称『アプリコットちゃん』のセカンドデートの尾行をしている俺だ。
二十歳をとうに過ぎて女に目覚めたのかと思ったが・・・『アプリコットちゃんはアタシの孫みたいなもんよぉ~』とのことなので、母性?父性?爺性? よくわかんねーが、別のナニカに目覚めたようだ。てか、なんで『孫』だよ! フツー『妹』じゃねーの? ・・・って麗にフツーを求めちゃダメだよな、俺。
さておき、尾行だ。
今度のお相手は前回のイケメン声優野郎(僻み)とは真逆の、72歳の老人。桃野すももは既に1時間とちょい前に待ち合わせ場所で待機中だ。・・・早すぎねーか?
「おや、お早いですな、すももさん」
「いえ、今来たところです、潤一郎さん。・・・あ、潤一郎さんって呼んでもいいですか?」
「ふぉっふぉっふぉ。勿論ですとも」
おい、なんで前回の反省点をこの老人で改善するんだよ!
20代適齢期男と72歳のご老人。
分け隔てなく接する少女、それがすもも。(特例は麗のみ)
相田爺のフルネームは相田潤一郎。
おかしいね。坊ちゃんを出したいのに、なんでじいやが出張るのかな?




