019
ローワンとファマンは、城の地下に来ていた。地下には、カボチャ頭のジャックとコリンが立っている。二人はローワンとファマンを交互に見ているだけで、喋りもしない。
「ローワン、なんで地下に来たの?」
「紙の内容的に、そこの二人に関係あるから。」
ファマンは気まずい空気に耐えれなくなり、ローワンに話しかける。ローワンは、コリンとジャックの方を見ながら、一枚の古びた紙を何処からか取り出した。
「ローワンクン、ナンノヨウ?」
「ローワン、ファマン、僕達に何の用かな?」
コリンとジャックは喋っているローワンとファマンの二人に向けて話しかける。ジャックはいつも持っているカンテラを揺らしながら。コリンは一本の鍵を手に握ったまま。
「この紙の文字を読んでみて」
「ローワン、僕とジャックは神じゃないから読めないよ?あと、後ろにいるファマンもね」
ローワンが古びた紙をコリンに見せれば、直ぐに読めないと返ってくる。予想が正しければ、ファマンを含めた悪魔の3人は読めるだろうと踏んでいる。普通は神しか読み書きすることは出来ない。だが。この3人は何となく文字を理解してそうな気がするのだ。
コリンとジャックは、アザルトよりも昔から悪魔だし、ファマンも、実を言うとアザルトよりも昔から悪魔で、年代別で分ければコリンとジャックの次くらいだ。ついでにデク爺も読めるのではないかと考えている。そもそも、この紙はデク爺から貰ったものだ。
「いや、読めると思う。実際、3人とも理解してから話してそうだ。」
「コリン、ジャック、多分バレてるよ。ローワンは頭の回転も早いし」
「ファマン……そうか。すごいね。ローワン。その文字は神じゃないと読めない、書けないと決まっているのに。」
「神という地位は最高神であるリーリア様とラファエル様が授ける。逆もそうだ。簡単に言えば、権利のようなもの。だから地位は悪魔でも、権利を与えられていれば読み書き出来ると判断した。」
神というものは地位を表している爵位のようなもので、読み書きできる権利というものを与えられているので、理解できる。とローワンは考える。実際のところどうなのかは知らないが、権利さえ与えられいれば悪魔だとしても読み書きできるのだろう。
「ソレデ、ソノカミハドウシタノ?」
ジャックは、なんとも言えない音の外れた声で少しの沈黙を遮る。ローワンの顔は見ずに、その目は一枚の古びた紙に固定されていた。
「ああ、この紙に3人にとってとても大事なことが書かれていると思って。」
ローワンが持っている古びた紙には、権利を持っている者しか読み書きができない文字で書かれていた。
『真っ暗闇の世界で、僕は君たちを見ているよ。
by馬鹿な罪人より』




