表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面β  作者: 霧咲 ユウ
4/8

仮面の行方。

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□




「ふぁ~~ぁ…」


…すんごい欠伸が出た。


「よぉ和馬、寝不足か?」




…翌朝、遅刻ギリギリで校舎に入ると、体操着のトラと鉢合った。




「…ちょっとね。」




…と言いながらも、寝不足は図星。


昨日、夜通し仮面で遊んでしまった訳なんだが、そんな事アホ過ぎて言えない…。




「…1時間目は体育だぞ~。」


「…へ?」


…教室に行こうとした俺にトラが言った。




…回れ右して更衣室に向かう。




「…うわぁ…ヒデェ顔。」




…鏡に写った自分の顔が、青白くて覇気が無い。




…おまけにクマまで…。








…更衣室…








…此処か…………。








…あれ…………?








…目が…………回る……………………








「……りはら…ん……?」


…誰か…いる…。




…この声…………誰だ……?
















「……………………?」


…そこは保健室だった。




…俺、寝てたんだ。




…時間は…午前の授業が終わりそう…。




…寝不足で倒れるなんて…カッコ悪いな…。








「よぉ、ねぼすけ‼︎イイ夢見たかい?」


「カズ、大丈夫?」


…トラと雫が入って来た。




…倒れた原因は口が裂けても言えない。




「あぁ、もう平気。」


…俺はベッドから起き上がった。


「…腹減った…。」


…散々寝てコレかい。


「もう大丈夫そうだね♪」


「よっしゃ食堂行こうぜ☆」


…3人は保健室を出た。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□








…午後の授業は普通に受けた。








…そして放課後…。




「…ん?…ノート……。」


机の中に見覚えのないノートが入ってた。




…名前は書いていない。




…中を見た。




…これは恐らく今日の授業内容。




…凄く綺麗な字で、分かりやすく書かれていた。




…一体誰が入れたのか…








…更に奇妙な事があった。


「…………あれ?…おっかしいなぁ……。」


…思わず声が出た。




「…和馬、どした?」


…声を聞いてトラが反応した。




「……あ……いや、何でもない。」


…適当にはぐらかした。


「……今日は変だぞ……?」


…この反応を見る限り、誤魔化しきれてないんだけどね。








…今朝、鞄に入れたのに…


…消えてしまったんだ。








…仮面。








「…お〜い和馬、…大丈夫か?」


…トラの呼びかけにも、しばらく無反応だったみたい。


「…………あ…うん。」


「…こりゃ相当お疲れだ。」


「あ、トラ…これ、誰のか知らないか?」


トラにノートを見せた。


「…うっわ〜綺麗な字……こりゃ女子だな☆」


「…女子なの?」


「お前が保健室で休んでたとなりゃ、『折原クンの為にノート書いておきました〜☆』っていう健気な女子がいてもおかしくないだろっ‼︎」


…おかしくないのか?


「…それじゃあ、このノート貰ってもいいのか?」


「いいんだよ!羨ましい〜〜‼︎」




…トラの意見もあり、ノートを鞄に入れた。




「じゃあ帰りますか‼︎」


「おう。」








…もし持ち主が判明して、その人が必要であれば、このノートは返すつもりだけど。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「じゃあ。」


「しっかり休めよ〜!」


…電車を降りて、トラと別れた。








…その足で駐輪場に向かおうとした時…


「…あれは…」


…駅前の書店から出て来た…。




…社 蝶子。




「同じ駅だったのか。」




…いや、そんな事より…




…いつも放課後の勉強会や部活をやってるアイツが、こんな早い時間に街にいる事が珍しかった。




「……はぁ……」


…普通に溜め息とかつくんだ…。




…その時、俺は見た。




…彼女は鞄の中から取り出した。




「…その仮面っ‼︎‼︎」


思わず声が出た。


「折原さん⁈」


…彼女はびっくりして仮面を落とした。


「…それ、俺が失くした物なんだ。」


俺は仮面を拾おうとした。


「触らないで下さい!」


「…え?」




…この人と関わると、すんなり行かないんだよな。




「あの…それ…俺のなんだ。…返してくれない…かな…?」


「嫌です。」


…即答された。




「……何で⁇」


少しの沈黙の後、尋ねた。


「…これは…私の私物です。」


「いや、最初に持っていたのは俺だ。…もしかして…盗んだ?」


「いいえ。女子更衣室に落ちていました。」


「…女子更衣室?」




…おいおい…俺が今朝倒れたのって、女子更衣室の中だったのか⁈




「…変態。」


…社はそう言い残して去って行った。




…仮面を持って。




…うわ…何か色々と誤解されてます。








…仮面を取り返したかったんだけど…


…追いかけると、余計こじれそうで…行けなかった。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ