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プロローグ:魂を懸けた旅路の始まり
少しだけ湿気をまとった風が、心地よく頬を撫でる。
土埃にまみれ髪が乱れるのも構わずに、私は目の前の悪魔へにっこりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「——この意味が、悪魔である貴方にわからないわけがないわよね?」
数秒の硬直。開いた口が塞がらない様子だった彼は、私の言葉で僅かにその口元をひきつらせた。
月のようなアンバーの瞳の奥で、人とは異なる瞳孔が僅かに揺らぐ。
今まで余裕綽綽だった彼が初めて見せた動揺する姿を見て、私は賭けに勝ったことを知る。
数日前。——まだお飾りの淑女であった私は、このような光景を想像することができただろうか。
降って湧いたような彼との出逢いが、自分の人生をこれほどまでに狂おしく、愛しいものにしてくれるなんて。
それは月の映える、ある夜のこと。
複数の偶然が重なって、たった一つの運命を手繰り寄せた日。
さあ、語ろう。私の、夢の行方を。
ディアナ・ローズベルトの、魂を懸けた三日間の旅路を。
はじめまして。詩夏未帆と申します。
連載開始いたしました。これから毎日、7時、12時、18時に更新予定です。
よろしければ、ディアナの旅路を見守ってください!




