6. 旅立ち
そして、集められたのが――。
騎士ガレス。
ハーフエルフのセレナ。
そして、なぜかボルグだった。
騎士ガレスは、強さだけなら騎士団長のアレクをも上回る。
ただ、性格も口も悪かった。
自分の前に敵が現れれば、平気で仲間を押しやり盾にする。
怪我をしている箇所があれば、容赦なくそこを狙う。
力と実力がすべて。
そして、勝つことがすべて。
戦場では頼りになるが、それ以外では厄介な男だった。
下手に実力があるせいで辞めさせることもできない。
好機とばかりに、今回の旅を押し付けられたのである。
ハーフエルフのセレナは、人間とエルフが恋に落ちて生まれた。
しかし、エルフからは拒絶されていた。
――自分たちの仲間ではない、と。
両親とは幼い頃に死に別れ、その後は王室に保護されていた。
エルフにしか使えない回復魔法と、その美しい容姿から神秘的に扱われている。
ただ、エルフの血が流れているためか、粗暴な人間とは距離を取っていた。
そして、ボルグ。
あの後、王の侍従に頼み込み、身の回りの世話や防具の管理ができるからと、無理やり一行にねじ込んでもらったのである。
なんとも頼りない一行に、国の命運は託された。
エルシア王国までは、陸路で繋がっている。
通常なら、徒歩でも二ヶ月ほどの道のりだった。
しかし、杖には魔法探知があるため、持っていくことができない。
さらに、王族に伝わる文献はエルシア王国にも伝わっているはずだった。
救世主の存在を知られていれば、リオの命が狙われる恐れがある。
整備された街道を通るわけにはいかない。
森を抜け、山を越え、谷を渡る。
二ヶ月の道のりが、およそ一年。
馬さえ使えない。
杖がなければ、箒もただの箒である。
リオとガレスは、飛ぶことのできない箒を背中に背負った。
なんとも情けない姿だった。
こうして四人は、エルシア王国を目指して旅立った。
――挿し木を求めて。




