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しあわせの国  作者: 狼眼


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王国の侵攻

「デュアル師匠!いるか!!」


屋敷の扉が壊れるほどに勢いよくあけられる。


「・・・お久しぶりです。ロアさん。男爵様は、訓練所にいらっしゃいます。」

「お、あぁ、シーリス。久しいな!さすが師匠!極めて尚鍛錬なさるとは!!」

「シャイニングフォースの皆さんの訓練を見てあげているのです。」

「さすが師匠!ありがとう!挨拶してくる!!」

「行ってらっしゃいませ。」


ロアさんはいつも積極的でいいですわね。

シーリスが扉の前を離れようとしたところで、再び扉が開け放たれる。


「ハンナ様!ハンナ師匠はどちらに?」

「奥方様はいつもの様に、学園の理事長室にいらっしゃいます。」

「分かったわ!ありがとう!」


まったく、メグ姉妹はいつも男爵夫妻を追っかけて・・・。今に愛想尽かされますわよ?

男爵家に静けさが戻り、シーリスは通常業務に戻った。



「よーし、一旦休憩を入れろ~。ディグ、ちょっと来い。」

「はい、なんでしょうか?」

「お前はまだ、剣を振りに行っている。もう少し、鞭のようにしなやかに、腕と剣を一体化させるんだ。」

「?はぁ、?分かりました。」

「アルバート、次はお前だ。」

「・・は、・・・は、ひ・・・。」

「お前は、相手の動きを目で追いすぎている。もっと感覚を研ぎ澄ませて、空気を肌で感じるように、相手を感じるんだ。いいか?」

「・・・・す・・み・ず・。」

「?お前、若いくせに体力ないぞ?」

「男爵。俺たちと朝から昼間でノンストップで打ち合いしてりゃ、中級冒険者でもこうなりますよ。」

「そうなのか?・・じゃぁ・・」


男爵が急に出入口に顔を向け、構える。

すると、扉が吹き飛んで、男爵の肩をかすめた。しかし、当たらないと見切ったのか、一歩も動かずその奥を見据える。


「しっしょ~!来ましたぁ~!」

「早かった・・・な!!」


急に飛び込んできた赤髪の女性。身の丈は男爵とほぼ同じく大柄で、露出の多い皮鎧に、片と脛の金属製のガードが印象的だ。所謂ビキニアーマーという代物か・・・。あんな非実用的な装備、着けている人がいるとは思わなかった。

女性は、扉を開けて、いや、扉をぶち壊して入ってきたと思ったら、男爵に向けて右ストレートを放った。

男爵はそれに対して、左のフックを重ね、飛び込んできた人物の勢いを利用した攻撃を放つ。


そのまま銅像にでもしたいほどの恰好で、両者の拳が止まり、辺りに風と砂ぼこりを舞わせた。


「腕を上げたか?」

「まだまだです!師匠!!」


そう言うと、赤髪の女性は男爵に抱き着いた。


「ぐぇ!ショルダーガードが、首に!!ちょ、離れろ!!」

「あぁ、すみませ~ん。師匠!」

「だから、離れろ!!」


男爵が力技で女性を引きはがし、首をさすり、少しむせる。

女性は、えへへ、と笑い、男爵の背中をさすった。


「男爵、この方は?」

「ガハ!ゲホ!・・・あぁ、こいつはメグ・ロア。俺の弟子で、メグ姉妹の姉の方だ。」

「よろしく!私はメグ・ロア、デュアル師匠の愛弟子だ!愛弟子一号だ!」

「・・どうも、よろしくお願いします。アルバートです。・・・あれ?シャイニングフォースの皆さんは・・?なんでそんな所に隠れているんですか?」

「ば、馬鹿!こっちに振るな!!」

「あぁ、あいつらも居たか。今回もよろしくなー!」

「ヒッ!・・・殺さないで・・・くださいね。」


シャイニングフォースの皆さんがやたらと小さく見える。昔、何があったんだ・・・。


「おい、ロア!お前は弟子!愛弟子って自分で言うな。しかも、まだそんな防具を身に着けているのか?止めろって言ったろ?」

「師匠~。私には、思い鎧より、動きやすいこっちの方が良いんですぅ。胸とかが擦れて痛いんですよ~。見ます?」

「ハイハイ、お前はローブでも着て戦え!」


ふと気づくと、シャイニングフォースの皆さんが手招きしている。


「なんです?」

「おまえ、今思っていることは口にするなよ?」

「?何のことです?」

「・・ほら、ロアさんの口調、男爵の前だけ猫かぶってるだろ?昔から、知っている仲なのに、気持ち悪いってぇの。」

「そうですか?なんか、可愛らしいですけど・・。」

「お前!感性がぶっ飛んでんな!あの殺戮マシーンが可愛いわけ・・・。」

「どうしました?」


ゾク!っと寒気がしたと思ったら、背後にロウさんが笑顔で立っていた。


「アルバート君?きみ、危ないからどいておこうね?君は良い子だから、ケガしちゃだめだからね?」

「は、ぃ。」

「さ~て、私の練習相手を買って出たのは誰かな~?」

「・・!・・・・!・・・・・・!!」

「こら、ロア!止めなさい。床が汚れるだろ?」

「はぁ~い。ごめんなさぁい。」


シャイニングフォースの皆さん、気絶してません?


「で、ロア、まじめな話、どうだ?」

「はい師匠。王国軍は昨日王国を出ました。その場でやっても良かったんですが、一応師匠のお考えもお聞きしようと思いまして、参上いたしました。」

「そうか。今回は面倒な内容だ、相手を殺さずに足止めする。お前になら出来るはずだ。頼りにしてるぞ、ロア!」

「は、はひ!がんばりまひゅ!・・ああぁぁぁ!頼りにされてる!あぁぁぁ!」


ロアさんは、涙を流しながら喜んでいる。シャイニングフォースの皆さんは気絶している。サンタスたちは限界に近い状態でぶっ倒れている。・・・なんてカオスな状態だろうか・・・。

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