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しあわせの国  作者: 狼眼


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469/488

どっちにする?

「・・・という事があったんですよ。」

「ほぉ~。なるほどな~。時々アンナがふら~っと森の中に入っていくのはそういう事だったのか・・。」

「・・・それだけじゃないと思いますけどね・・・トイレとか・・・。」

「ははははは!そうだよな~。冗談だよ!ぷはははっ・・。アンナに言うなよ?」

「言えませんよ。」


俺とヴァールさんは、泉の畔ででしばらく休んだ後に晩飯の用意をしている。

オークの肉が余っているので、焚火に立て掛けておく。


「で?その精霊は、精霊界に行ったのか?」

「ええ、その後すぐに気配が消えたので、精霊界にいったと思いますよ。」

「・・・精霊界ね~。どんなとこなんだろうな?」

「そうですね。深い森の中の様な場所でしたよ?泉が湧いていて・・・。中に入るたびに景色が変わってましたね・・・。」

「は?お前、行ったことが有るのか?本気で?」

「そうですよ?アンナさんも行ったことが有るんじゃないですかね?」

「聞いた事は無いけどな・・・。」


まぁ、アンナさん程の人が精霊界に行ったことが無いとは言わないだろうが、自分しか見たことが無い世界を人に伝えた所で分かってもらえない、だから言っていないって事だろうな。


さて、肉がそろそろいい感じに焼けてきたようだ。

火に近い部分が少し焦げてはいるが、逆にそこが美味いんだ。


どちらともなく焼けた肉を貪り始める。

やはりオークは美味い・・・。


「なぁ、アルバート。お前は精霊術師を極めるのか?ロアさんに師事しているって事は、剣を極めるのか?」


ヴァールさんがいきなり話を変えてきたのだが、実は俺も決めかねている問題でもあった。


「正直なところ、今の俺は精霊の力を借りた方が効率がいいとは思っているんですがね・・・。」

「しかし・・・ロアさんの指導は受けているんだろ?もったいねぇ。」

「でも、ロア師匠の師匠であるデュアル様は剣も精霊術も使えますからね。ああいうのもいいかなって。」

「ああ、確かに色々出来ると選択肢は広がるが、何かを極めないと器用貧乏になっちまうぞ?」

「・・・極める・・・。ですか・・。」


アルヴァリオンを使いこなせれば強力な戦闘手段になると思うのだが、それに頼り切ってばかりでは剣の腕も上がらないだろう。

魔力は大きい様なので、精霊術を極めるには向いているのかもしれない・・・。

ただ、一番好かれているのが闇と精神の精霊・・・。極めると、まずい気もするな・・・。


「お前さ・・・。デュアル王に相談してみたらどうだ?似たような感じの闘い方なんだろ?孫弟子なんだし、きっといい答えを持ってるって。」

「かもしれないですね。ロア師匠は今、単独でコサンド王国まで行っているので、暫く戻ってこないですからね・・・。」

「コサンド・・また、あんなところに行ってんのか・・あの人。」

「?何かあったんですか?コサンド王国で。」


意味ありげな言い方をするので、つい聞いてしまった。


「あそこはな・・・。ロアさんの妹が連れ去られた場所なんだよ・・・。」

「え?リア様・・・は、村に居ますけど?」

「ん?あぁ、ロアさんの所は三姉妹だからな・・・。今でも時々旅に出て、妹を探しているらしいぜ?」

「・・・そうだったんですね・・・。ロア師匠、そんな事は言わないから・・・。」

「それはいい。姉妹の事に深く関わっても・・・。空は彼女らの意思であって、誰かが何かを出来る訳でもない。ま、その辺りも、デュアル王が何かを話してくれるかもしれないけどな?」


折角ヴァールさんがデュアル王と対談を勧めてくれたんだ・・・。一度話をしに行ってみよう。正直、今後の方向性を決めかねていたんだし・・・。

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