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しあわせの国  作者: 狼眼
1章 しあわせの国・・グリフ王国・・

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静かな晩餐

太陽が沈み、辺りが暗くなると同時に、酒場には人が溢れてくる。

俺たちは二階の部屋でサンタスとギニンが起きるのを待った。


「ん・・ぁぁ。」


「お、目が覚めたか。気分はどうだ?」

「?あれ、ママは?ん?ここはどこだ?・・・。!!!!」

「ママは居ないぞ?」

「!忘れろ!!」

「了解、ママには言わねぇよ。」

「・・・・で?今はいつだ?」


ギニンが起きた後に、二人がぶっ倒れた後の話をしてやった。ルーナさんが解呪の後に呪いをかけてくれた事、呪いの効果と見える人には見えるという事、ルーナさんがパニクッて出ていった事など、知っておいた方が良いことを伝えた。


「なるほど。この指輪を付けておけば、呪いのせいで髪が伸びないエネルギーをためて置けるって事か。便利な呪いじゃねぇーか。」

「ですね、アニキ。」


「そういえば、サンタスはどんな記憶が戻ったんだ?」

「俺は、ほんとに子供の頃の記憶が多かったな。街で遊んだことや、母さんの事、軍の物資を横流しして稼いでいた事、ギニンと出会った時の事・・・そんなとこかな。」

「お前は、悪さをした事が多いんだな、あとはママの事か・・」

「忘れろ。」


「で、ギニンはどうだった?結構つらそうな感じだったが・・・。」

「アニキに、助けられた後に、一緒に軍の倉庫に侵入し・・・俺だけ捕まった事、闇市で物資の横流しをしていて・・・俺だけ捕まった事、斥候の技術を磨くために貴族の家に侵入し、反逆罪に問われた事・・・。あれ、アニキ。なんか俺だけ・・・。」

「大変だったよな!ギニン!さすが、俺の右腕だぜ!」

「ア、アニキ~。」


ギニン、お前いいように利用されているな。あと、ちょろいな。

話がひと段落したところで一階に降りて食事をすることにした。

店員にエールと肉串、肉入りスープを人数分注文する。


「じゃぁ、お疲れ。」

「「「お疲れ」」」


エールがのどに染みわたる。乾季に入ったこともあり、エールを飲む者たちが多くみられる。

魔獣の襲撃があった影響で、けが人スタイルの客も多い。

基本的に魔法でけがを治すことが出来る人は一握りの者に限られている。昼頃にサンタスを回復させた見習い神官も姿を見せていない。精神力の限界が訪れたのだろう。


「リンは来ないのか?」

「リンは軍に報告に行った後、一時金を持ってくるはずなんだが・・・。」

「まぁ、リンだし。」

「そうだな・・・。」


この時間まで戻ってきていないという事は、一端実家に帰っているのだろう。

ここに居るほとんどのメンバーが親がいない。または親の事を忘れている。

親がいて、親孝行ができるうちはしっかりと親孝行をするべきだ。出来なくなってから後悔しても何もできない。「後悔役に立たず」だ。


「明日以降の行動はどうしようか?」


ビルットの発言で全員が動きを止めた。

今までの俺たちなら、いざこざが落ち着いたなら、軍に戻って次の指令を待っていたころだろう。しかし、王国の行いを思い出した今は、軍に戻ろうとも思えない。


「そうだな、ちょっと外の世界でも見に行くか、暫くこの街には居たくない。」

「それいいな!よ~しギニン!久しぶりに軍の倉庫に忍び込んで旅の準備をするか!」

「アニキ・・・。やめましょう・・。」

「軍に黙ってこっそり出ていくのと、指名手配で出ていくのでは雲泥の差でしょ?穏便にいこうよ。それよりどこに向かうの?もしよかったら、みんなで私の故郷に行かない?一人では心細いし・・・。」

「そうだな、おっさんの安否もきになるが、あの人なら無事に生き延びているだろうしな。とりあえず、リンの意見も聞いた方が良いだろう。もう少し待とうぜ。」


リンの意見にもよるが、一応の目標はコーギの故郷であるリーフに向かうことになりそうだ。

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