表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年ハークとわるいこ研究所  作者: きむら
南の雪嶺 レグリシス山
38/318

善は急げ、という

「この前行った村、覚えている?

 あそこの人たちが国に、というより

 管轄している機関に訴えたんだ。

 どうやらそこは大陸全体の要地

 つまり重要な所でそこを荒らした

 って言うことで……」


「ま、待ってくれ!

 村から訴えられた?!

 逮捕ってなんだよ!?

 博士も? べルードもエリーさんも?

 ロニィさんもか?

 いったい何が起こっ……」


「……まずは落ち着こう、ハーク君。

 順を追って説明した方がいいね」


焦るハークを落ち着かせ

イチモは詳しく話始めた。


* * * * *


バルドリア山脈。


四角いエイール大陸の

中心から四分割される山脈。

そのうち、東へ連なる山脈である。


そこからは稀少かつ豊富な鉱石や

品質の良い木材が採れるため

それらを活かした産業を

独自に行っていた。


山脈の豊富な資源を活用した

産業が大陸内で認められると

いわば経済特区として大陸産業の

一端を担い始めていた。


昔ながらの製法で行われ

後世に残すべき文化および

資源とも認められた地でもあった。


* * * * *


しかし今回のロニィの件。

接触および村の襲撃は

村にとっては大問題であった。


村の掟から外れた人物が

村へ脅威をもたらす猛獣を飼っていた。


それだけでも問題だが

輪をかけて黒獅子エリーと

ラプトル・ハークという

別の猛獣まで連れてきた。


村を管轄をしている機関に

連絡した結果、研究所そのものを

訴えることとなった。


「皆、司法機関に移送されたみたい。

 ロニィさんは問題の中心人物。

 猛獣、フェンリーさんだね

 娘さんを隠していたことが

 まず最初の問題だったんだ」


ハークを落ち着かせるためか

イチモは丁寧に状況を説明する。

説明を受けて、ハークはいくらか

落ち着きを取り戻した。

あごに指を置き、何かを思案したする。


「――なぜ俺とイチモだけ

 研究所に残されてるんだ?

 俺は部屋に居たけど、他にも居たはず。

 なのに、俺だけ残されるのはおかしい。

 それに、イチモは?」


「……昨日の深夜かな。

 別の研究所に書類を送るするために

 宅配便に向かってたんだ。

 ちょうど他にも送る物があったから

 それを運ぶことになったんだ。

 ようやく終わって帰ったら

 みんな居なかった。

 聞けば、みんな移送された後でね。

 新人だったからかな。警察もあまり

 僕の顔を見なかった。

 直後に、レムザさんから連絡が来てね」


イチモは自身のスマホ画面を

ハークへ見せた。


そこには博士やべルードへの

発信履歴が短い間に何件も並び、

一番上にレムザとかかれた

着信履歴がひとつあった。


「こういうことはいつかあるって

 研修でも伝えられてた。

 だからこそレムザさんに連絡したんだ。

 レムザさんが代わりに指示をくれた。

 『まず、逃げろ』そして

 『協力者に会え』」


「協力者? 博士の知り合いか?」


「いや、違う。

 これは、別の研究所にだね」


* * * * *


イチモは地図を取り出す。


それは現在ハークたちがいる場所。

広大でいくつもの山脈が四方に伸びる

エイール大陸の地図である。


「僕らはいま居るのは

 エイール大陸の南東部。

 ここから西にある研究所へ

 向かうんだ」


イチモはエイール大陸の

南に連なる山脈を指す。


「西って、バルドリア山脈と違うーー」


「そう。年中雪が降るレグリシス山。

 そこを越えた先、山の中腹にある

 研究所に、協力者がいるんだ」


イチモはハークの手を引く。


「行こう。ここは危ない!

 僕らが捕まったら、博士たちが

 助からないかもしれない!

 レグリシス山の研究所の人たちに

 助けを求めに行こう!」


イチモはすぐに

荷物をまとめていたらしく

ハークの分の荷物を手渡す。


最後にイチモから

大人用の白のジャンパーを手渡す。


「これを着て!

 顔を隠せばバレないハズ!

 僕も被っていく。さぁ行こう!」


* * * * *


「いいかい。

 いわば僕らは指名手配。

 とりあえず僕らは兄弟で

 レグリシス山の向こうに行く

 という設定で行こう!」


「レムザさんに伝えなくていいのか?」


「……もしかしたら

 電話を探知されるかも。

 街中で私服警官、とか

 ハークくんも知っているでしょ?」


ハークは思い返す。


確かに警官の服を着ているが

警官と悟られないよう

私服で現れることもある、と

大人たちの話を聞いたことがあった。


電話の探知、まではわからなかったが

とにかく居場所がバレてしまうのだ

と解釈した。


「よし。裏手から行こう。

 僕が大体行き方は知っている」


イチモはハークの手をつかみ

ぐいっと引っ張る。

彼の顔には

明らかな焦りが見えた。


ハークは一刻を争うことと考え

急ぐイチモの足取りに

必死に着いていった。

続きます。


次話投稿予定は

2021年5月10日(月)です。


※少し書き直しました。

2021/5/6(木)17:11

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ