第3弾 ダクトテープ
「おいシキ!!何をした!!!!?」
ギィィィィ―――――ン!!!
うるせぇ―――!!!運動会の時に丸禿糞野郎が拡声器でどなったときの様だ。
「昔の偉い人は言いました。『新車だ!殺せ!!』と。そしたら、原子力自動車だったという話だ。それと今、連中は廃車を量産してるから、爆発音が連続してるぞ。オーバー」
「ちょいまて!それてめぇの親父じゃねーか!?夜中にトイレに行ったら『マクミラン大尉、マジカッケース!尊敬するッス!!』とか聞こえてきて気持ち悪かったんだけどオーバー」
「親父はガチガチのゲーマーだからしょうがないだろ。かれこれ30回ぐらいぶっ壊れてるのにいまだにアキバでジャンクパーツかってPS2を運用してるぐらいだぞ。『なんで、PS7に乗り換えないんだ?』って聞いたら『おれはACEが移植されるまで絶対に乗り換えないぞ!!』って言ってた。アウト」
ズドォォーーン! ズドォォーーン! ズドォォーーン!
とりあえず、コータムの音量下げとこうか。
「………これで良しっと。じゃ、もう一回屋上に行って」
もう一回、双眼鏡を覗き索敵する。今回は、廃車を量産しているから音で分かりやすい。5分で全部見つけることができた。一番近い敵でも接敵に10分ぐらいかかりそうだな。バックパックからあれを取り出して。
バッシュ! ヒュ~~~ン バ―――ン!
俺が取り出したのはゲームオリジナルの“SHG-11”という中折れ2連式の信号拳銃だ。外見は自衛隊が装備している53式信号拳銃に似ているが銃身が延長されていて、22ミリライフルグレネードが射撃できるようになっている。
アタッチメントとしてスケルトンストックとキャスリングハンドルを兼ねたライフルグレネード用のアイアンサイトが用意されている。一言で言えば戦闘拳銃である。用意されている弾薬は6色の信号弾と白燐弾、落下傘付照明弾だが10ゲージショットシェルなら大体使える。
今回撃ったのは、一番安い白の照明弾だ。なにせスタングレネードからマグネシウムを拝借して、ショットシェルに適当に詰めるだけで完成してしまう。細かいことにこだわるくせに、変なところで大雑把になるのがこのゲームの特徴だったりする。
「さてと、移動しますか」
信号弾がある=敵がいる=とりあえず攻撃する。と言う公式が成り立つ。馬鹿の場合は特にだ。
アウトレットパーク・北東メインストリート 敵チーム視点
「なあ、本当にこの奥にいるんだろうな?」
「本当だって。さっきビルの屋上を伝っていくのを見たぞ。」
「いたぞ。右のビルの窓だ。ビルの2階から銃身出してやがる。集中砲火だ!」
ダダダダダ!! ダダダダダ!!
ドドドド!! ドドドド!!
タタタタタタ! タタタタタタ!
アウトレットパーク・中央モール4階 シキ視点
「本当に引っかかった……映画ではないんだけどな」
ップ!……バタ!
シキは敵チームが銃撃――というよりも乱射か――しているビルではなく、敵チームから見て、正面400メートルの中央モールから狙撃していた。
敵チームから見て右のビルには銃砲店で鹵獲したAKを椅子の背もたれにダクトテープでぐるぐる巻きにしただけだ。こんな子供だましは通常「あからさますぎる。罠かもしれない」と警戒するはずだが、フルオートで全弾叩き込もうとしている敵には呆れてしまう。
ダクトテープってのは超強力ガムテープのことです。




