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5 魔族の国13

 日の出と共に目が覚めた

 頭もすっきりしている

 なんだか不思議な夢を見た気がしてよくよく思い出してみるんだけど、まるでもやがかかったみたいにあいまいだ

 まぁ思い出せないってことは本当にただの夢だったんだろうね


 しばらくボーっとしていると、横で寝ていたフーレンが目を覚ました


「あー、おはよーございます~」


 寝癖がひどい

 すでに起きていたテュネたちと共に朝風呂に行くとしよう

 まだ寝息を立てていたエンシュを起こして5人そろってお風呂に向かった


 この宿のお風呂は意外と広くて、壁や床に宝石がちりばめられている

 なんて贅沢なんだ

 キラキラと輝いてて目がちかちかするよ


 優しい感触のスポンジで体を磨く

 僕たちは汗をかかないし、排泄もしないから汚れないんだけど、こういうのは気分だよ気分

 体を洗うって気持ちいいしね


 きれいに洗ったら次は湯船につかる

 温泉も湧いているなんて素晴らしい

 この町は今後も通うことにしよう


 朝食は卵サンドにアップルティー

 ぺろりと平らげて早速アクセ屋に向かった

 

「いらっしゃい、もうできてるよ」


 魔族のおじさんが僕たちのアクセを出してきてくれた

 指輪にネックレスにブレスレット、アミュレットも作ってもらってみた

 まぁアミュレットはつけるかどうかわからないけどね

 テュネは似合いそうだな


 きれいに加工してくれた加工屋さんにお礼を述べてお金を払うと、店を出てその足でエンチャント屋へ向かった

 もちろん対属性を付与してもらうためだ

 もし属性攻撃を受けてもこれで少しは軽減できるはず


「どうします? やはりダイアに付けてもらいますか? 少々値は張るでしょうが効果はなかなかいいみたいですし」


 エンシュが考え込んで提案した

 一見暴れん坊のような印象だけど、彼女は結構理知的だ

 

「お金なら多少余裕があります。 洞窟で討伐した魔物の素材を売ったのでこれくらいなら大丈夫です」


 さすが財布の管理人

 テュネがそう言うなら大丈夫


「よし、全員ダイアにエンチャントしてもらおう」


 店主であるダークエルフの女性にエンチャントしてもらうアクセサリーを手渡した

 すぐできるそうで、しかもエンチャントしているところを見せてくれるみたい

 そう言えばダークエルフを初めて見た

 エルフと似てるけどやっぱり肌は褐色、それも結構際どい恰好をしている

 そんな姿を見ても寒くないのかな? くらいにしか思わないってことは僕の心までも女の子になった証拠なのか、それとも精霊はもともとそういう存在なのか…


 奥の部屋に通されると、彼女は小杖を取り出して机に魔法陣をスラスラと描いた

 ルーン文字という特殊な文字で書かれているらしいので僕には何が書いてあるのか読めない

 光る魔法陣の上にアクセサリーを置いて呪文を唱え始めた

 透き通るような声、聴いていて心地がいい


 約10分ほどでエンチャントは終わった

 それぞれの弱点耐性を付与してもらうとダークエルフの女性は汗をぬぐった

 結構神経を使う魔法だそうで、毎回緊張しているみたいだ


「ありがとうございました~。 また来てくださいね~」


 にこやかに手を振るダークエルフの女性

 初めはちょっと顔が怖かった

 美人なんだけどなんだか冷たい目をしているように見えた

 多分目が釣りあがっているせいなんだろう

 僕を見るなりいきなり目を輝かせたのには驚いた

 本人曰く子供が大好きなんだとか

 それも少女が…

 あの時の目、ちょっと怖かった

 釣り目だからとかじゃなくて、もっとこう恐ろしいものの片鱗を見た気がする

 まぁ、危害は加えられてないし、僕にサービスとして30パーセント割引もしてくれたので気にしないでおこうっと


「さて、次はどこに行こうかな…」


 観光名所の案内が描かれた地図

 そこにはこの国の観光案内が書かれていた

 たまたま露店で見つけたから買っておいたんだ


「う~ん、星空の丘、夜の星空が良く見えるみたい。 あ、でもここからだと結構遠いなぁ。 悪夢の戦場跡、近いね。 なになに、ゾンビやレイス、コープスたちが楽しく皆さんをお出迎え。 彼らによるホラーハウスもありますよ。 むむ、ちょっと興味あるなぁ。 でも、ゾンビって危なくないのかな? 人を襲うイメージがあるんだけど」


「あらお嬢ちゃん、そこのゾンビたちはね、意思がしっかりしてるから人間と同じように生活してるのよ。 魔王様に忠誠を誓ってるから人を襲う心配もないわ」


 通りすがりの魔族のおばさんがそう教えてくれた

 なるほど、それなら行ってみようかな


「ありがとうおばさん。 ここに行ってみるね」


「それなら馬車が出ているからそれで行くといいわ」


 親切な人だ

 もう一度お礼を言って馬車の停留所を確認すると、宿に戻って明日に備えた

 ゾンビかぁ、ちょっと怖いけど普通の人と変わらない感じなら大丈夫かな


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