むむ、焼き肉とビールだな
悪魔「むっ。バ、バカ、止せ。じょ、冗談だ、冗談。今のは……お互い超次元生物だ。命の遣り取りなんか出来る分けねえだろ?万事、合理的に考えやがれ(鎌を仕舞う)」
天使「おめえが出すからでねえけ。売り言葉に……じゃなくって、売り鎌に買いクロスじゃけんのう。天使だからってナメたら、ナメたらあかんぜよ」
悪魔「夏目雅子かてめえは。きたねえ夏目雅子だな。ま、いいや。それよっかいつまでもお米を苦しませちゃ可哀想だ。さっき来がてらにお米の魂の緒、少し切っておいたんだ。これでな(鎌を懐から少し出して叩く)。今頃は病院に運ばれて危篤状態だろうよ。おっつけ教団の幹部でも和子の所に来るだろうぜ」
天使「まんず酷いことを……アーメン(合掌する)」
悪魔「へっ。いろいろ算段があってのことよ。とにかくよ、行くぜ、俺は。お米を楽にしてやらあ。慈悲深いんだぜ、俺は」
天使「勝手にするずら。んじゃ渡し場まで参ろうぜよ」
悪魔「まあだ四国弁を、夏目雅子をやってやがる。バカヤロ。おめえは渡し場でもどこへでも帰ればいいじゃねえかよ。俺は変幻自在のすっ飛び悪魔だ。瞬間移動で病院でもどこへでも行ってみせらあ。じゃあな」
天使「ま、待てえ、悪魔。おめえまだ何か考えてっぺ?(心中を読むように頭を悪魔に傾けて)あ、わかった。野郎、また誰かにとっ憑いて飲み食いする気だなや。何を喰らうだ?……(上同様の仕草をして)むむ、焼き肉とビールだなや。へば(東北弁・それなら)オラもまだ付き合うでよ。な?さ、行こ、行こ」
悪魔「バカ云ってんじゃねえ。これ以上付き纏われてたまるかよ。アバよ」
悪魔、通りに出てそのまま舞台奥に行こうとする。天使がその袖を引く。




