【第十二話】俺がVtuberになるきっかけ(後編)
配信時のコメントが○ではなく●になっているのは今回は主人公のコメントとなります、把握お願いします!
さっそく見ようとする…が、名前が思い出せない。
宵…そこから先が出てこない中年の門開けたての俺は
自分の記憶力の悪さにひどい悲しみを覚えるが、宵と検索に入力した
だけでも候補の一番上に見覚え、いや聞き覚えのあるフレーズが出たきた。
【宵闇みずき】、そうだ。
一文字だけで候補の一番上に出てくるということはかなり人気のある
ものなのだと理解する。流行ってよくわからないな。
気づいたら始まってて覚えた頃には終わっている。
もう俺も若者ではないのだ。
山中のVtuberとはなんぞの解説のおかげである程度原理は把握
できたつもりである。
そして今日も深夜配信するという話も把握済みである。
検索ボタンを親指で触れると一気に画面が切り替わり、
黒髪に紫のピンをつけた少女のアバターイラストがたくさん出てきた。
先程あいつのスマホで見たあの少女だ。
俺は「LIVE」と表示されているサムネをタップする。
「わぁ!みずきがんばっちゃった!ますたーほめて?」
○みずきがんばったじゃん!この調子で次も一位とってこ
○すげえ強いww
○みずきゾーンきたね
○みずきゾーンだ!
今彼女はカーレースのゲームをしているようだ。
どうやらリスナーを『ますたー』といい、
調子がいい時を『みずきゾーン』というのだと理解した。
俺も試しにコメントを打ってみることにした。
●初見です。こんばんは。
「おかえりなさぁい、、、じゃなくてはじめましてますたー!
これからよろしくお願いします!」
うぉ、すげぇ返答された!?
俺はアニオタなので、今この感覚はアニメのキャラが俺のコメントを
即興で読んでくれたという最強のシチュエーションに見えてしまった。
そんなアニメキャラが今ゲームをして、リアルの人たちと一緒に
配信を楽しんでいるんだ。
「ますたー、このゲームにコツとかある?全然勝てないよ…」
○いやうまいのよ
○俺らに言われても勝てないw
●強いじゃないすか笑笑
気がついたら俺も「リスナー」になっていた。
〜〜〜
「配信終わるね!ますたーおやすみなさい、いい夢を♪」
こうして配信が終わったのは早朝4時。
さすがに今からだと寝れない時間になってしまったが、
山中の言う通り仕事の疲れなどどこか吹っ飛んでしまうようだった。
明日もあれをみるために仕事頑張ろう。心からそう思えた
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そして自主退社をしたあの時、Vtuberを志したのは
当時の俺のように苦しい思いをしている人に
娯楽を与えたかったからだ。
俺はみずきに社畜時代散々助けられ、お世話になったなと思う。
そして今俺は同じように、誰かの助けになれてたなら。
それだけでもとても立派なことなのではないか、
仕事をしないという罪悪感など抱えるくらいなら、
その分他の人を楽しませればいいのではないか。
俺はみずき、そして山中に世話になり、
今はその恩返しをしている、それでいいのか。きっと、大丈夫だ。
俺はこれからもVtuberを続けていく。
1日でも早く退院し、元気な姿を見せてやる、
そう思考しているうちに、気づいたら俺は眠りに落ちていた。
誰かの助けになりたい、素敵ですね、
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