5.美少女→おっさんの場合 その2―6
結局、ゴリケルに正真正銘の勇者だと判定されたルナは、一気に緊張が解けた反動でトイレで用を足していた。
もちろん、使うのは個室のトイレである。
(あー、汚い汚い汚いっ!)
すっきりした後は、手洗い場で入念に手を洗う。
バイキンがどうというより、手に残ったふにゃふにゃした感覚を流そうと必死なのである。
(ほんっと最悪のクソ親父! この体じゃ、毎日セクハラを受けてるのと同じじゃん!)
そんなことを思いながら、十分近くかけた手洗いを終え、ルナが水を止めようとした時だ。
「あらぁ~ん、奇遇ね!」
唐突に後ろから声を掛けられ、ルナはハッと鏡の中を覗きこむ。
使っていた個室の、隣の個室の扉がゆっくりと開き、中から少しずつゴリケルが姿を現した。
その姿に、ルナは背筋がぞぞぞっと寒くなるのを感じる。
(ど、どうしてどうしてどうして!? いつからいたの!? 私が入ってた前から!?)
「なんとなくルナ様が来る気がしてぇ~、ずっと待ってたのよぉ~ん!」
(どういう意味よ!?)
手洗い待ちなのか、ルナの背後にピッタリくっつくように立つゴリケル。
内股で体をくねらせているが、その目はまるで野獣の眼光だ。
「あ、あの、使うなら、どうぞ――」
「本当のこと、聞いてもいいかしらぁん?」
そう言って、ゴリケルはぺろりとルナの尻を撫でる。
「きゃあああっ!?」
「あらぁ~ん、良いお声と良いプリケツね! やっぱりその反応――“乙女”なのかしら?」
鏡越しにゴリケルが体を密着させてくるのを見て、ルナは泣きそうになった。




