4.潜入! 異世界ダンジョン!―3
「おっと、でも例外のパターンもあるんだぜ? それは“魔遺物”とボスモンスターが一緒になってる場合だな」
「ボス?」
「そうだ。“魔遺物”は自らの護衛用として、ダンジョンのボスを生み出す場合があるんだ。その場合は、ボスモンスターを倒して“魔遺物”を手にした時点でダンジョンは消滅する。“魔遺物”自身が、自らの敗北を認めるってわけだな」
「じゃあ、このダンジョンにはボスモンスターはいないのか?」
「恐らくな。ボスモンスターが出るのはSランク以上のダンジョンの場合だ」
「そのランク付けはどう判断している」
「オレの知識と経験に裏付けされた直感だ。実際に攻略者が出てその詳細をダンジョンギルドに報告するまで、正確なランクの規定はされないからな」
「つまり、このダンジョンは“推定”Aランクってことか」
まあな、とウォリは答える。
だが、実際に“魔遺物”を前にしてもボスモンスターとやらが出ないのをみるに、Sランク未満のダンジョンということは間違いないのだろう。
「ま、腹も減ったし、師匠もデレてくれないし、さっさと回収して帰還しますか」
「……帰ったら晩メシくらいは作ってやる」
「マジ!? それはテンションあがるぜぇ!」
そう言って、余所見をしながらウォリが“魔遺物”の魔剣を引き抜こうとした時だった。
ウォリを囲むように現れる、無数の殺気。
「晩メシはカレーでいいかな!? この前、別の商人とスパイスを交換したんだ――」
「バカ、周りを見てみろッ!!」
完全にタモンの手作り愛妻メニューに思考がいっているウォリは、その“魔の手”に気がついていなかった。
とっさにウォリを突き飛ばしたタモンの体を――岩の隙間から飛び出してきた無数の黒い触手が、しっかりと捕らえていた。




