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3.美少女→おっさんの場合―6

「ブラジャーが着けられん……」


 風呂上り、自室で一人、ウォリから貰ったブラジャーと格闘していた。


「ど、どうすればいいのだ? 先にホックを付けてはいけないのか……? ああ、なんで女はこんな七面倒臭いものを付けるのだ!!」


 基本、男らしくがさつな性格のタモンにとって、細かい作業は苦手中の苦手の行為だった。

 いっそ、ウォリを呼んで付けて貰おうかとも思ったが、大事な愛娘の胸を発情期の猿のような男に晒すわけにはいかない。


「ノーブラでは駄目なのか……。いつの間にこんなに成長したんだ、ルナのやつ……」


 思い起こせば――ルナを風呂に入れてやったのは、彼女が三歳くらいの頃が最後だった。

 仕事で世界中を飛び回り、徐々に家にも寄り付かなくなり、そんな暮らしを十数年も続けていたのだから妻に愛想を尽かされても当然かと、タモンは自嘲気味の笑みを浮かべる。


「バンソウコウでも張っとけばいいんじゃないか? ここに……。……お、多分出来たぞ」


 苦戦すること約三十分、ようやく、なんとなくの雰囲気でブラジャーを着けることが出来たタモンは、達成感からふーっと一息つく。


「なんかあまりフィット感が無いが……こんなものでいいのか? さて、あとは」


 一応、ウォリからは男もののトランクスと、純粋無垢な白いパンティー、二つの下着を渡されていた。


『どっちを穿くかは師匠に任せるけど、ブラジャー付けて下は男物、っていうのもなかなかの変態感があって言いと思うぜ!』


 そんなことを言われていたので、タモンは頭を抱えて真剣に悩み始める。


 男のプライドはトランクスと叫んでいるが、やはりルナのことを考えるなら、パンティーにすべきなのか。

 タモンは恐る恐るその下着を手に取ると――その生地の滑らかさに、息を飲んだ。

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