2.おっさん→美少女の場合 その2―8
「やっぱりそうなのか……」
薄々分かってはいたものの、改めて指摘されると凹むタモンだった。
ということは、これからは毎日ブラジャーを着けなくてはならないのだろうか。
見た目は美少女とは言え、中身は四十代のおっさんなのである。
男のプライドがある以上、ブラジャーは着けることには抵抗があったが、周囲の人間から娘のことをエロい目で見られるのは精神的に辛かった。
「まあ心配すんなって! オレが女性モノの下着はもちろん、メイド服からバニーガールまで、色んなコスチュームを用意しておいたから!」
「別の意味で心配になるわ……用意したって、稼いだ金でわざわざ買っておいたのか?」
「おうよ! だって嫁にするための奴隷を召喚するんだぜ! それくらいの準備をしておくのは普通だろう!」
「分かるような分からないような……。……ま、まあ、少なくともブラジャーくらいは借りるかな。付け方はさっぱり分からんが」
「だから心配すんなって! オレがちゃんと一緒に付けてやるよ!」
「はいアウトー!!」
再びの顔面ストレートが炸裂するが、ウォリももはやあまりリアクションを取らなくなってきた。
「まあ、師匠を男の体に戻すのは、オレにとっても喫緊の課題かな」
「そうなのか? そこに協力的だとは、少し、意外だな」
「だってそのままの師匠じゃ絶対ヤらせてくれないじゃん。だったら娘さんの精神と入れ替えて、お互いの合意の上で気持ちよくなればみんなハッピーって寸法よ!」
「お前……俺がその父親だと分かった上で、発言しているのか……?」
背後から腕を回し、グイッと首を絞めあげるタモン。
「ぐえええええええええっ!? ギブギブ、許して師匠ー! えーん!」
「だーめーだ。娘に手を出そうと考えているのは、俺に欲情するよりもっと許せん」
タップするウォリを絞め続けるタモンだが、この時はまだ気がついていなかった。
全ては――背中に当たるノーブラモードの感触を楽しむための、ウォリの策略だったということを――




