[三章-9:No.4・No.3]
一馬は歩み寄る男を睨みつける。背後からさらに8〜9人のローブ男が歩いてくる。
「誰だ?」
と警戒心剥き出しで問いかける一馬。
「ん、僕はNo.4:閃剣…と呼ばれているよ」
と笑顔で答える閃剣。一馬は閃剣から目を離さないようにして、肩を押さえながら立ち上がる。
「君さ、そこの龍の魂を僕たちに渡してくれないかなぁ?」
とレイを指差しながら言う。
「ふざけるな、いきなり刃物飛ばしてきて、レイを渡せだと?どんな教育されてきたんだよてめー」
閃剣は笑みを消すことはなく、ローブ達の方を向き
「仕方ないないなぁ〜、君たちはそこの龍の魂、捕まえてきて。……僕はそこの子と遊ぶからさ、この子はなかなか楽しめそうだし、よろしく〜」
と告げる。ローブ達は無言でレイに襲いかかる。レイは襲いかかるローブをかわし、森を縫うように進む。
【一馬、私は大丈夫だから逃げろ】
とだけ言い、加速しローブからさらに距離を取るレイ。一馬はレイを追いかけて走ろうとするも
「なんだよ〜、つれないなぁ。遊ぼうよ」
と即座に目の前に回り込み、一馬の顔を覗き込んで言う。一馬は迷いなく後方に飛んで、距離を取る。
「さっさと、遊び終えるぞ」
「そうだね、何秒持つかな今度の相手は……楽しませてよね」
「ダガー、二本投げちゃったけど大丈夫か?」
「僕はさ、ダガーよりもレイピアの腕に自信があってね、閃剣の名前の由来もレイピアにあるんだよねぇ」
とローブに隠れて見えなかった、腰からレイピアを抜く閃剣。それだけで周りの空気の流れは変わったように感じられる。一馬は能力を隠すために一応、背中に手を当て武器を作り出す。
「ほー、武器を持っているなんて聞いてないな。まぁその方が面白いし……いいか」
悠一が一馬を探して走っている上から、ローブ男がダガーをつきたてようと飛びかかる。悠一はギリギリで上を向き、能力防御壁を張ってかわす。それはものの数秒で破られる。ローブ男はダガーを投げ捨て、
「私はNo.3:断剣と申す。貴様をこれより先に行かせるわけにはいかん。私と相手してもらおうか」
と周りより、ひと回り、ふた回り大きなローブ男が言う。ぱっと見あだ名が筋肉でもおかしくないほどごつい。
「じゃ、周りのローブ軍団どっかやってくれよ」
と悠一が言うと断剣は手で合図を送り、ローブ軍団を帰らせる。悠一は要求が通ったことに驚く。断剣は背中から大剣を抜き、構える。それを見て戦う覚悟を決めつつある悠一は
「断剣は、その剣が名前の由来かい?」
と尋ねる。
「あぁ、その通りだ。この剣は貴様を断つ剣だ。覚悟しとけよ」
と常人なら両手で扱えないような大剣を片手で振り回す断剣。これも筋肉のなせる技かな、と悠一が思っていると
「後、貴様の能力がどんなものか知らんが力を放って助けを呼ぼうと思っても無駄だぞ。力はこの付近無駄な力、範囲外に出ようとする力は自動的に収束される術式が張り巡らせてある。だから、目視や映像以外で感知することはできない」
と断剣が言葉を放った後、剣を振るのをやめ、構えを取る。
(……能力に気付かれている?まぁ、いいか。バレないなら心置き無くやれるしね。霊体達は最低限残って僕の身体能力補正、他は一馬くん捜索へ行ってきてくれ)
悠一だけに見えるように与えるエネルギーを最低限にした霊体達は断剣にバレることなく四方八方に散らばっていく。
「さぁて、やりますか」
悠一は能力を解放する。




