[二章-25:契約《Agreement》]
———9月
「……以上、呼ばれたクラスから解散。では1-1から」
と教頭先生が言う。
「おー、長い話だった」
と一馬はつぶやいた。そして教室に向かって歩いて行った。
「よーし、宿題集めろ」
と先生が言う。みんな宿題を出して行った。そして一馬もつい先日終わらせたばかりの宿題を提出した。そして先生は宿題を集め終わったのを確認し、諸連絡を言い始める。
「………明後日に最後の闘技会の予行があるから行くなら忘れるな」
一馬はそれを聞いて忘れないようにしようと考えた。
———帰り
雫を呼び太樹達と帰ろうとして正門の近くに行くと悠一が立っていた。
「一馬君、霊体身につけない?」
と笑顔で尋ねてくる。一馬は、それを言われるまで完全に存在を忘れていた。
「…お、おう」
と一馬は答え、
「雫達は先に帰っておいてくれ」
と続ける。雫はぶすっとした顔をして一馬を見つめる。しかし一馬が真面目な顔で見つめ返しているのを見て諦め
「はぁい、早く帰ってきてね」
と言う。一馬は
「あぁ、終わったらすぐに帰る」
と答える。
「話は終わった?行こうか」
と悠一は言った。そうして二人は森の中に入って行き、小さな滝のあるところへとたどり着いた。
「ここだ、さて始めようか一馬君」
と言われ一馬は
「何をしたらいいんだ?」
と尋ねる。
「ここにいるだけでいいんだ。僕の霊体と一馬君を同調させる。そうして一馬君の霊体を探し出すってわけだ」
と悠一は答える。
「……森に来た意味ある?」
と一馬は思ったことを口に出すと、悠一は、
「自然の中は未契約の霊体がエネルギー補給に現れやすい。まぁ、これがパワースポットと呼ばれる原因の一つだよ」
と即答する。一馬はあぁと声を出した。
「さて、始めようか」
と言いながら何体かの霊体を一馬の周りに放つ悠一。霊体は一馬の周りを回り始める。すると、森が騒ぎ出し、動物が近くを離れ出すのを感じた。
「……来た」
と悠一は小さく言った。その言葉を一馬は聞こえたと思った瞬間目の前が真っ白になる。
【汝、我と同調せし者か?】
とよく聞く脳に直接話しかけられると言うものを一馬は体感した。
「あぁ、俺と仲間になってくれ」
と一馬は声に出す。
【声を出す必要は無い、我、汝の心を読み取る】
と言われ
(ほんとかよ……)
と一馬は考える。
【あぁ、我、汝の心を読み取る】
(本気のようだな…)
【我、汝を試す、耐えられないようなら仲間にはならん】
と言われたのを感じたその後、
「うぉぉぉぉぉぉぉ、……なんだこれ」
と一馬はいきなり大量の自分の記憶が頭の中に流れ込んでいるのを感じた。
【…………見つけた】
と言われたのを一馬は流れる記憶に耐えた切ったのと同時に感じた。
【汝、我と同調せしもの…仲間になろう】
「がはっ!」
と言いながら一馬は飛び起きた。一馬は気絶していたことを理解した。
「…夢?」
「いいや、契約だよ、成功したようだし」
と悠一が答え、指さした方を見ると光り輝く球体があった。一馬がそれに触れると球体は弾け、中から一馬が想像していた悠一の球体ではなく小さな龍の形をしたものが生まれた。
「龍?」
【あぁ、宜しく頼む、我が主君よ】
(心で喋れるんだっけ、よろしく……えーっと名前は?)
と心の中で話す。
【………シャ…我に名は無い】
(じゃあ、レイとかどうだろう?)
【レイ……まあまあだが主君の付けてくれた名だ大切にしよう】
などとレイと一馬が会話している時、
「…………龍?どう言うことだ?」
と悠一は小さく呟いた。




