[二章-7:交渉《Negotiation》]
色々なことに考えをめぐらしているうちに家に着く。一馬がドアを開けると
「にぃ!大丈夫?心配したよ?」
と言いながら抱きついてくる雫。さすがに何時間も目の前で眠っていて起きたかどうか分からないまま家に帰されて1時間半は経っているので過剰に心配していたのも無理はない。
「おー、よしよし心配かけてごめんな雫」
と言いながら雫の頭を撫でる一馬、雫もそれを受け入れ気持ち良さそうに目を瞑っている。
「ご飯食ったか?」
「ううん、1人で食べるのも嫌なのに、にぃが倒れてる時に食べるなんてできない」
「おー、優しい妹よ兄ちゃんは嬉しいぞ」
などと取り留めのない話をしている時ふと一馬が
「あれ?今日ってご飯作るの俺の日か、あっ!もしかして雫、俺が作るの待ってたな?」
と気付いたことを口にすると
「えへへ、バレた?でも本当に心配したんだからね」
と可愛らしく微笑みながら言う雫。言葉を聞き終えた一馬は台所に向かい料理を作り始める。
———数分後
「よーしできたぞ、食べようか雫」
と料理を食卓に運びながら言う一馬。雫はそれを聞き椅子に座る。食事を始める。
「なぁ、雫一つ言わなきゃいけないことがあるんだ」
と話を切り出す一馬。一馬は、先程から雫の反応を見て内心心配になっていた。
「あのな、月曜日から少し泊まりの用事があるんだ」
「にぃ、私はいらないの?」
と少し不機嫌に尋ねる雫。
「ごめんな、学校の用事なんだ。俺だけなんだけどな、まぁ色々なつけが回ってきた的な?」
嘘にはならないように注意しながら話す一馬。
「むぅ〜、わかった我慢する」
「大丈夫、一応ひなにも頼んどいたから」
と一馬が言い、雫は受け入れた。
———翌日
一馬がふとスマホをみるとメールがひなから来ていた。
差出人 ひな
宛先 一馬
題名 しばらく面倒みれます
本文
何とか交渉して雫ちゃんの面倒見れることになりました。雫ちゃんのことは任せてね♪
と一馬が読み終えるとほぼ同時にスマホの画面が着信画面へ切り替わる。
「この番号……まさか」
電話に出る一馬。
「もしもし〜、用事だけ簡潔に言うわね、明日、私の家の近くの喫茶店に朝10時に来てね、あっ雫ちゃんは私の娘とお留守番してもらうから1人できてね。拒否権はないわよ、手伝ってあげるんだから」
とだけ言って通話がきれる。
「まじか……」
しばらくの間一話一話がいつもより短くなりそうです
あまりにも長く続くと統合するかもしれません




