[二章-6:兄妹《Brother sister》]
武蔵先生の提案に
「手伝うって……何を?」
と一馬が尋ねると
「本気だな?」
と武蔵先生が言う。
「俺は強くあるためなら何でもします」
と強く答える一馬。
「ならば、月曜日学校にそーだな…5時に来い。しっかり泊まりの用意とか宿題とかの用意をして来いよ」
と武蔵先生が言うと
「5時!?泊まりの用意!?どういうことですか?」
と思わず尋ねる一馬。
「それはお楽しみにしておけ、まぁお前の意思がそれほどしかないならやめてもいいぞ」
と答える。
「わかりました、やります。でも学校は?」
と尋ねる一馬。
「全て俺に任せておけ」
と武蔵先生が答えたので一馬はこの人多分学校内でなかなかの権力を持っているのだと思った。
「あっ、それと雫は連れていけないから世話は誰かに頼んでおけよ、よしもう遅いし帰れ」
と話を切り上げ犬を追い払う動作をする武蔵先生。一馬は頭の中でしばらく雫の世話をしてくれそうな人を考える。
(響也や太樹達はまず無い、宇佐美は……無いな、何されるか分からないし、ひな…そうだひなに頼もう)
と考えスマホを取り出しひなに電話をかける一馬。通話が開始される。
「もしもしひなか?」
「もしもしどうしたの?」
「いや、少し頼みごとがあってな……」
「何を言いづらそうにしてるの?電話する程の頼みならたとえ一馬といえど、最善を尽くすわよ」
と嬉しげに頼みごとの内容を催促するひな。
「俺だけに厳しいよなひなって…。頼みっていうのは少しの間、雫の面倒を見てやって欲しいんだ」
「またこれは予想外の頼みね……でもどうして?いつも一緒なのに」
と持って当然の疑問を口にするひな。普段一馬と雫が別々に行動することなど滅多に無いことをよく知っているひなだからこそ何かあったのではと気になるのだ。
「まぁ、いろいろあってな……簡単に言うと補習的なね」
と一馬が答えると、
「あー、それなら少しは納得できるけど、何で泊まりの補習なの?」
とさらに聞くひな。
「それは俺も聞かされてないんだ」
「あっそ、仕方ないわね、一応両親に交渉してみる、いつから?」
「…月曜日」
「はぁー!?あんた学校サボるつもり?」
「それも先生が何とかするって言ってた」
「とりあえず本当だと信じる、また後でメールする」
と言って通話が終わる。考えてみると一馬と雫は、一馬の年齢が二桁になったぐらいから両親が海外で仕事を始めた。今でこそ交代でご飯を作っているものの、始めの頃は送られてくるものを作り方を見て2人で作って、失敗して、どっちのせいかでよく喧嘩していた。他にも掃除、洗濯などなどを全て2人でこなしてきたせいで2人とも家庭科の成績は割といい。そうやって2人で生活してきたおかげで、2人の間には"信頼"と言う言葉で表しきれないぐらいの兄妹関係になっている。
「一番長いこと離れたので修学旅行の2泊3日か……今回どれくらいの期間かわからないけど大丈夫かな?」
と独り言を呟く一馬。




