[一章-20:オセロ《Othello》]
———オセロ中盤
序盤は五分五分の試合だったが今は若干一馬が有利だ。一馬はその手その手で確実に取れ 、取り返されないところをなるべく選び打つ。しかし遊は考えが、あるのか無いのかすぐに打っている。
「いけ〜アニキ頑張ってください」
と太樹の声援。
(一馬くん、一手だけの判断だといいんだけど甘いね)
そんなわけ考えとは裏腹に負けている状況が続く遊。
一馬にも余裕が生まれ始める。
「さて、終わらせようか」
と残り数手の時に言う遊。急に状況は変わり何個も何個も一気にひっくり返され、一馬は一個や二個しかひっくり返せない。
「ゲーム終了〜」
と勝利した遊が言う。後半までかなり調子良く勝っていたのに負けたことに驚きを禁じえない一馬。
「一手一手大事に使わなきゃ、その手だけでなく後のことも考えてね」
と遊。そう一馬は遊にゲーム中ずっと盤面をコントロールされていたのだ。勝てると思っていたことで次の相手の動きの読みが鈍る、これを利用した。
「まぁ、面白かったしその問題の解き方教えるよ。そこ答えもこっちを使っているんだけど、ここを………ねできた」
と答案より完璧な答えを教えた遊。
「ご飯できたよ〜」
と宇佐美の声。
みんなで昼食を食べ始める。
昼食はパスタとサラダだ。かなり上手に作られていて美味しい。
———昼食の片付けの後
「ふーう、食べた食べた」
と太樹。かなり美味しかったらしく何杯もおかわりしていた。一馬が立ち上がると勢いよくドアが開く、ゴンと鈍い音とともに膝に衝撃。
「痛ってぇ、うわ血が…」
「ごめん一馬くん、そんなに近くにいると思わなくて…」
と謝る遊。
「宇佐美〜、一馬が血出してるからなんか持ってきてくれ」
と響也。下でガサガサ音がした後すごい速さで階段を駆け上がる音。
「血!?一馬の!?」
と言いながら部屋に入ってくる宇佐美。太樹の心配の声を遮り、何かよくわからないもので血を取り、その後に、絆創膏を貼る。宇佐美はまた階段を駆け下りる。
一馬は自分の血がどうなるのか気になり宇佐美を追うと地下の扉があり中を見ると……
研究室があった。見た目でわかるほど想像する研究室そのもののようだ。
奥から冷たい声が聞こえる。
「見たわね……見た人は処分しなくちゃ」
と声の主は宇佐美だった。




