[三章-24:狂気のピエロ《Crazy clown》]
———ちょうど龍人と悠一の戦闘が始まった頃
外から見れば二人、一馬からすれば三人が龍の柱を目指し走っていた。数分走った頃に急に目の前に現れたローブ集団。一馬は今まで見た中で最多だろう。一馬は足を止め、刀を作り構える。ローブ達も武器を抜き構える。だが、ローブ達も一馬も動かない。一馬には自分から動くメリットがなかった、自分から動けば数で押し負ける。ならば僅かすぎて見えない可能性ではあるが、戦闘をしないで龍人を待とうと思ったのだ。ローブ達も命令か、一馬の動き待ちか分からないが攻撃を仕掛けてくることはなかった。このまま時間が過ぎろ、そう思った瞬間、突如上から声が聞こえてくる。
「おっと、これはこれは、まさかハイエントの生き残りの“劣”能力者様に出会えるとは。ケケケッ、まだ時間がありますね。少し殺し合いをしますか」
と言いながらローブ達の前に、上から飛び降りてきたのは真っ白に塗られた顔、目を中心として、右目に赤色のひし形、左目に黒のひし形のペイントが施され、口には真っ赤な口紅やり過ぎなほどに塗った、いや正しく言うならば塗りたくったが近い男。彼は黒い服に身を包んだピエロのような見た目をしていた。
「はじめまして、斎藤一馬くん。私は道化と申します。ケケケッ、契約時間終了までの約十分、私と殺し合いましょうか」
と隠さずに明らかな殺意を出しながらジェスターは言う。遊びに殺すの意味が含まれていることに気づき、一馬はジェスターのローブ達とは明らかに違う雰囲気に身構える。
(なぜ、俺の名前を?……いや、今はそれよりも、あの数的に時間稼ぎ出来るか?ジェスターとか言う奴はおそらくかなりの実力者だろう。あいつ一人ならなんとかなるかもしれないが、あの数相手に遥達を守りながらとなると……くそっ!あいつら、ローブさえいなければ時間稼ぎ出来るかもしれないと言うのに!)
と考える一馬。ジェスターは一馬の思考を読んでいたように
「ご心配なく、ローブ(かれら)達は邪魔しません…いや、させません」
と言う。ジェスターの周囲の人々を笑わせ、楽しませるピエロと言う存在からは一切想像できないような人の域を超えたと言ってもいいほどの狂気に満ちた気迫に押されながらも、一馬は刀をジェスターに向けて構える。その動きを見て
「おおっ!やる気になっていただけましたか。それではっ!開演ですっ!短い間ですがっ!どうぞ、心ゆくまでお楽しみくださいっ!
表題…狂気の戦闘……ショータイムですっ!」
とにたりとヌメッとした笑顔を一馬に向けながらジェスターは言う。心なしか周囲にいるローブ達が怯えているように見えた。
ジェスター戦を次の話にしようとするとかなり短くなってしまいました。が、次は長くできると思います…多分




