独り言にはご注意を
「やばいよー間に合わないよー」
通学路をとことこ走る。
しかし普段の運動音痴の功か全然走ってる様に見えない。
寧ろオーバーリアクションで歩いてる人だ。
「そんなんだったらサボればイーじゃん」
「良くないよぉ!」
つい大声で叫んでしまった。周りの人の目が集まる。
だけどその眼は叫んだことに対する驚きの眼ではなく、頭のおかしな子を見る眼だった。
ちょっと変に思いクロウを見やる。ちなみにクロウは律儀にも走って(いや、私の鈍足に合わせて大股で歩いて、かな……)付いてきてくれている。
「ねぇ、クロウってまさか他の人からは見えなかったりする?」
「ん?通常は見えねぇが見えるようにすることも出来るゼ」
「どうするの?」
「簡単だ。俺とお前が手を繋ぐ」
「どぅわぁっ!?」
ずってーん。
思いっきりすっ転んだ。
「何でいきなり転ぶ!?」
「だっだっだってててて手繋ぐて……!」
「日本語喋れ」
「国籍解らんカラスに言われたくなーい!!」
「注目浴びてんぞ暁」
「アラァ」
この後羞恥心から走り出したのは言うまでもない。
***
とりあえず走った。
そしたら学校に着いた。
「あれぇ?遅刻したのに……正門が開いてるよー?なんでだろー?」
「知らねーよ」
ふと見るとグラウンドで数人の生徒が部活をしていた。
慌ててスマホのスケジュール管理アプリを開く。
「オーマイゴーット」
ショック過ぎて謎に英語が出る。
カタカナ発音だが英語が出る。
「何なんだヨ」
「とぅでいいず……休校日……?」
「バカがそれ以上英語喋るな。ちなみに休校日はno school dayだ」
「まさかのそのまんま!?」
てかクロウ発音良さすぎでしょ!?帰国子女なの帰国子カラスなの!?
「学校無いんだったら帰ろうかなー?」
一歩踏み出そうとしたところに、
「あれ?東海道?」
どしゃあ。
当然こけました。顔面から。
「大丈夫か!?」
「うん……」
人前でこけるのはもう慣れたんだ……。
ぽん、と立ち上がった私はその時初めて相手が誰だかを認識した。
「鬼くん?」
「あ、自己紹介がまだだったな。鬼目だ。よろしくな」
「あ、あのそのえっと……!」
「ん?ああ、東海道暁だよな。特徴的な名前だから覚えてる」
自分も十分に特徴的な名前なのを自覚してないようだ。
「東海道は何で学校にいるの?部活入ってないはずだよな。確か」
「あははは……休校日だっていうこと忘れててさぁ……」
「そっか、じゃあもう帰るのか」
「うん」
「じゃな」
「うん。部活頑張ってね?」
そして鬼くんはグラウンドの方に走っていった。
「ふーん」
「あれ?クロウ居たっけ?」
「何クラスメートと話しただけで俺の存在忘れてんだよ」
「ごめんごめん冗談」
「あっそ……また独り言がでかい奴って思われてんぞ」
「アラァ」
走り出した。
読んでいただきありがとうございます!
今回キリが悪いので短いですが許してください…。
感想などお送りいただければ幸いでございます。
第三羽もお楽しみに!




