王都へ向けて
出発の準備が出来たみたいで、ルクスが俺と沙耶とリサが3人で話しているところに来た。
というか、ルクスのの奴、いつの間にかいなくなっていたが、それでいいのか騎士は。
「ミラージュ王女、出発の準備が整いました。この場に長くいるのも危険なので早急に出発いたしましょう。」
「分かりました。では、王都までよろしくお願いしますね。」
「お任せください!」
リサは先ほどまで、顔を赤くして俯いていたのに、ルクスが来たらすぐに前を向き表情もさっきとは全く違う。
さすが王女だな。切り替えも早い。
そう考えながら、ルクスが向かう騎士達のもとに歩いて行こうとした。
「お待ちください!」
歩こうとすると、突然リサが叫んだ。
俺と沙耶はリサの方に振り向いた。
「貴方様は一緒に馬車で移動していただけませんか?」
リサがそういってきた。正直ありがたい。馬車で移動できるなんて楽だろ。
乗って移動したいが、沙耶とリサは犬猿の仲だろうな。
横にいる沙耶をチラっと見るが、もう表情が不満だらけだ。ここまで、不満を露わにするなんて珍しいな。
そんなことを考えていた。
「貴方様は知りたいことがあるのではないですか?王都までの道のり中、私がいろいろ教えて差し上げますよ。」
リサはそんなことを提案してきた。
マジか。リサはルクスと俺のやり取りを聞いていたのだろうか。
でも、いろいろ知りたい。まだ、こちらの世界のことは情報が足りなすぎる。
すこしでも、情報は集めておきたいところだが…
すると、沙耶が俺の服を軽くひぱった。
沙耶の方を向くと、こちらをじっと見て軽くうなずいた。
それで、沙耶の意向は確実にわかった。
「分かりました。王都までよろしく。もちろん護衛はちゃんとするぞ。」
「ありがとうございます。」
そういうと、リサは嬉しそうにこちらに駆けてきて俺の手を取って馬車に連れて行ってくれる。
沙耶はそのあとを黙ってついてきた。
そして、馬車に3人で乗ると、王都へ向けて出発を始めた。




