表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

第13話 文化祭4

「お隣、いいですか?」

「おお、偶然」

「ハイ、偶然ですね」ふたりで小芝居をした。本当は約束していた。


3年B組の焼きそばの模擬店に1時半集合。時間きっちりだった。


「すごい偶然ですね。やきそばも2つ用意してあるし(笑)」

「おまえな~」

「ごめんなさい。いつもありがとうございます、センパイ」


「やっぱり、美味しいですね。やきそば!」

「誰が作っても、なかなか外れないだろ」

「そうなんですけどね」先輩と一緒に食べてるから、余計においしいんです。口にはだせなかった。


「これからどうするんだ?」やきそばを食べ終わった後、先輩は聞いてきた。

「2時15分からの演劇みませんか?体育館でやるらしいですよ」

「ふーん」

「演目はロミオとジュリエットらしいです」

「ブッ」水を吹き出す先輩。

「汚いな~。も~。やっぱり、おきまりですからね」


ふたりで体育館に移動する。少しだけ回りの目が気になった。ドキドキしている。体温も熱くなる。


ふたりでパイプ椅子に腰かける。もちろん、並んでだ。

「楽しみですね、先輩」わたしはウキウキだ。

「ロマンスなんておれのキャラじゃないのに」先輩はなんかしょんぼりしている。

「そういわないでくださいよー。先輩といっしょに見たかったんですよー」わたしはひたすら甘える。

「ハイハイ」


 舞台が始まる。周りが暗くなる。

「先輩、夏祭りの時を思い出しますね」しんみりした雰囲気になった。

「そうだな」ふたりでヒソヒソ話す。


「実は相談があるんです」わたしは真剣な口調で話した。

「なんだ」すっとぼけた感じだった。

「わたしの友達の話なんですが、」

「ともだち?」

「そうあくまで友達です」わたしのことではない。断じてわたしのことではないのだ。

「で?」

「その子が、どうやらとある先輩に片思いしているらしいんですよ」

「おまえな」

「それで、相手にアプローチをかけても、あんまりいい反応がないらしくて……」

「……」

「その子は苦しくて報われたいといってるんです」

「うん」

「その子はどうしたらいいと思いますか、先輩?」


 舞台は佳境に入っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ