第11話 文化祭2
明日はいよいよ文化祭だ。先輩とは、うまいこと調整して、午後の2時間を一緒に見て回る予定となっている。うれしすぎて、眠れない。そう、すでに明日は明日でなくなっていた。もう、今日だ。
これは眠るのをあきらめようと、わたしはスマホの電源をつけた。こういうときは、適当にSNSめぐりをする。眠れないときは、いつもこれをしている。流れてくるヘンテコニュースをみたり、友達の近況を確認する。夜はまだ長い。あと10分が、何回も続いてしまった。それでも、眠れる気配はまったくなかった。
「先輩はもう寝てるかな?」
わたしはいつも彼のことを考えてしまう。別のSNSをみていたら、先輩にログインマークがついていた。
「迷惑だよね」と思いつつ、メッセージを送ってしまう。
「こんばんは。先輩もねむれないんですか?」
別に返事が来なくてもいい。少しでも彼との繋がりが欲しかった。
「おう。全然、ねむれない。お前もか?」
即レスが帰ってきた。うれしすぎて、眠気は完全に吹っ飛んでいた。
「迷惑じゃなかったらお話しませんか?」
深夜テンションでわたしは攻めまくる。
「いいよー」というメッセージとともに通話がかかってきた。自分で誘っておきながら、結構、ドキドキしてしまう。
「ハイ、もしもし」
「おう、こんばんは」
先輩もどこか深夜テンションだ。声が変に明るかった。
「先輩もねむれないんですか。遠足前の小学生みたいですね」
「それ、完全にブーメランだからな」
「わたしはいいんですよーだ」
「理不尽」
ふたりは笑い出す。
「じつは、楽しみなんですよ」
「知ってた」
先輩はそっけなく返してくる。
「文化祭がじゃないですよ」
わたしは切り返す。
「……」
「……」
少しだけ沈黙を作った。これはわざとだ。
「先輩と一緒に文化祭を回れることが楽しみなんです」
深夜テンションで本音をいってしまった。でも、深夜だからしかたない。
「あんまり、先輩をからかうなよ」
「本音です」
冗談とも、本気とも思える口調でわたしは先輩にそう伝えた。
「先輩もそうだと、うれしいんですけどね~」
今日のわたしは攻める日だ。
「ノーコメント」
「その答えで、気持ちわかっちゃいました(笑)」




