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中務
中務
鶯の声なかりせば雪消えぬ山里いかで春を知らまし
鶯の声が無かったら、雪が消え残る山里ではどうして春を知るのだろうか。
※春を告げる鶯を賛美する歌。歌集によっては藤原朝忠の作になっています。
わが宿の菊のしら露けふごとに幾代つもりて淵と成るらむ
我が家の菊の白露が今日毎に幾代積もって淵となるでしょうか。
※歌集によっては清原元輔の作になっており、冷泉天皇の中宮昌子の裳着の祝いに詠んだ物だそうです。
咲けば散る咲かねば恋し山桜思ひたえせぬ花のうへかな
咲けば散り、咲かなければ恋しい山桜。花の事で物思いが絶えません。
※「子にまかりおくれて侍りけるころ、東山にこもりて」詠んだ歌。歌そのものは花の事を詠んでいますが、子を亡くした母親の哀愁が漂っています。




