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柿本人麻呂
梅花其とも見えず久方のあまぎる雪のなべてふれれば
梅の花がそこにあるとも見えない、空一面に雪が降っているから。
※この歌は「よみ人知らず」として古今和歌集に載っています。人麻呂の作とされる事も有るそうです。
たのめつつこぬ夜あまたに成りぬればまたじと思ふぞまつにまされる
期待させて来ない夜が数多になったから、もう待つのはやめようと思う気持ちが待つ気持ちを勝りました。
※女性の立場になって詠まれた恋の歌。「待つ」女性の気持ちを切なく詠んでいますね。
わぎもこがねくたれがみをさるさはの池の玉もと見るぞかなしき
愛しいあの子の寝乱れ髪を猿沢の池の藻として見るのは悲しい。
※「猿沢の池」伝説を詠ったものだと思われます。「ならの帝」の寵愛を失った采女が猿沢池に投身自殺するという内容なので、わぎもこはこの「采女」の事でしょう。




