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私選和歌集  作者: 如月瑠宮
三十六歌仙より
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38/73

紀貫之

問ふ人もなきやどなれどくる春はやへむぐらにもさはらざりけり

 訪ねる人の無い宿だけれど、やって来る春は蔓延る雑草にも妨げられないのだ。


※「八重葎茂れる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり」の本歌取りかと思っています。


花もみなちりぬるやどは行く春の故郷とこそ成りぬべらなれ

 花も皆散ってしまった宿は行く春の去った跡になるのだろう。


※「故郷」は「旧跡」等の意味合いになると思います。春が去った里と考えるべきものでしょう。


見る人もなくてちりぬるおく山の紅葉はよるの錦なりけり

 見る人もいなくて散ってしまう奥山の紅葉は、夜の錦の衣のようです。


※紅葉狩りの時に詠んだ歌です。美しい光景が目に浮かびますね。

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