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出会った日

「おい、誰だ?こんな所に」


「離しなさい」 


「……。」


「離しなさいと言っているのが分かりませんか?」


 (…!最高です。捕まってよかった)

(ああ、今こんな手枷なんてなければ魔法で録音して何回も繰り返して聞きたいのに) 


「は?俺らにそんな口を利くのか?」


(うるせぇな、こいつ黙れよ。せっかく聞いてたのに。じゃますんなよ)


孤児院で何も無いまま育って愛なんて知らなった。でも、そんな私は今、大好きで愛が溢れてしまうほどたまらない人がいる!それは...。




8年前 王都最大の孤児院、通称揺り籠


「おい、とっと早くしな貴族様がお待ちだ。それと絶対に見せるんじゃないよ」


「……。」


「お前、分かってんだろうね、今回こそ選ばれなきゃお前の価値何てなくなるんだ」


「生きてるだけで邪魔な存在になるんだかね」


「それに今回のお客様は…お前を思いだしちまうようだよ。チッ。とっと、しな。」


「あの、すみません。」


「はーい。少し時間が掛かっていますのでお待ちください」


「ほら、行け。」


王都最大級のここは、表向きは良い場所でも裏の呼び名は死者の道具箱。名前はおお昔に化け物がでたらしくその名残らしい。化け物は孤児院のある一人の子供だったという噂があるくらいだ。



「お待たせいたしました。」


「いえ、ありがとうございます。お嬢様お選びください。」


(ああ、まただ。私達は物でも商品でもないのに。あの目で見られるんだ)


(笑顔になれないよ。自分だけは消したくない。)


(また、押し殺すくらいなら価値がなくなった方が良い)


そんなことを思っていると影が私の前で止まった。

顔を上げると´わあ、綺麗な人。‛グレーに透明みたいに透き通る瞳。白と赤の長めの髪。


と見ているとその人はじっと私の目を見つめた。そして手を差し伸べてきた。


(え…)


と私が固まっているとその人の隣の初めお嬢様と言っていた人が。


「この子にするんですね。分かりました。」


と言い気づけばいつの間にか手続きは終わり大きな屋敷に着いていた。



屋敷。

門は大きくて二か所に蝶が彫られていた。

門を越えたら屋敷。不思議な感覚がした。


そして時間は思ったより早かった。

お風呂につれて行かれて気づけば身なりが綺麗になっていた。



その後。

淡い緑のドレスを着せられ、どこかへ案内された。

着いてみると、そこにはさっきの人が二人揃っていた。


「綺麗ですね。それに可愛いです。お嬢様も何か言って下さいよ」


「……。」


お嬢様と呼ばれている孤児院で手を差し伸べた人は何を考えているか良く分からい表情で無口だった。


「まあ、良いでしょう。自己紹介をしますね。」


「私の名前はリーアと申します。呼び名はリアでもリヤでもいいです。好きに読んでくださいね。」


「そして私は隣いるこのお嬢様のメイドをしています。」


明るい、貴族のお嬢様にこんな感じで接して良いのだろうか?何か思ってた感じと違う。



「次はお嬢様の自己紹介ですが。」


「…」


「では、私がお嬢様の自己紹介をします。」


「名前はルト・ミィファ様です。年齢は5歳です。無口でこの屋敷に仕えているものも声を聴いたことが無いです。」


変わった感じの名前。でも、似合ってる。


と思っているとメイドさんは私に視線を合わせ。


「あなたの名前と年齢は?」


名前と年齢。


「カヤ。5歳」


「カヤ、まさか。」


(…?私の名前変だった。持っていた指輪に彫られていた名前なんだけどな)


不思議に思っていると。


「いえ、すみません。気にしないでください」


「そういえば、さっきから気になっていたんですが、カヤ様は髪を染めているんですか?」


「…?」

と不思議に思っていると。


「あ、いえ、カヤ様の髪がこの国では珍しいラベンダーアッシュだったので。」


(そっか、この国では珍しいのか。)


(この髪色は孤児院で幼い頃から染められてたから実際の髪色は知らない。)


(何でも、元の髪色が変だったらしい。)


(まだ、完全に信用した訳じゃないから言わなくてもいっか。)


「気にしないで下さいね。」


と言われ。コクリと頷いた。


そんなこんなありながらも1日はあっという間に過ぎた。



次の日。


「ん…。」


(眠い、あれ。そうだった孤児院じゃない)


早く目が覚めたので屋敷の中を探索することにした。

部屋は一人でいるには広すぎたから。


探索していると朝日が廊下を照らし始めた。


(ちょっと、眩しい)


そう思いながら歩いていると、どこからか。


「カヤ様~。」


と聞こえてきた、昨日のメイドさんの声だった。


声が聞こえてきたと思っていると後ろからトントンと軽く背中を叩かれた。

驚いて振り向くとルト様だった。


朝焼けに照らされた姿は昨日見た姿とは違ってまた綺麗だった。


彼女は手を目の前に差し出してきた。


(手をつかめってことかな)


と考え、彼女の手を握った。


握ると彼女は何も話さないまま、歩き始めた。


(よく分からないな彼女の考えている事は)



歩き始めて数分くらい経った。

彼女は大きな扉の前で止まった。そして扉をコンコンと3回叩いた。

そうすると扉がキーと音を立て開いた。


部屋は広く、大広間みたいだった。

奥には階段があったその近くに昨日のメイドさん。リーアさんの姿が見えた。


リーアさんはこちらに気づいたのか駆け足で来た。


「ああ、良かったです。」


「お嬢様が見つけて来てくれたんですか?ありがとうございます。」


状況が呑み込めていないでいると。リーアさんが。


「カヤ様を起こしに部屋に行くと居なかったので心配したんですよ。」


なるほど。だから、私を呼ぶ声が聞こえたのか。


と感心に浸っていると。


「まあ、大丈夫そうで安心しました。」


と言い続けて。


「次からはどこかに行くときは誰かに声をかけてくださいね。」


「では話はこれくらいにして朝ごはんを食べに行きましょうか。」



時間はあっという間で屋敷に来てから一週間が経った。


一週間の中で少しだけ分かった事があった。


屋敷を探検の続きをしていて迷っているといつの間にかルトが現れて分かる場所まで案内してくれた。

相変わらず、無口で何を考えてるのかは分からないけど。

思っているより、優しいのかな?でもまだ油断は禁物。


今も私はたまに迷子になってりするけど。



「カヤ様。」


「そろそろ、カヤ様専用のメイドを付けようと思っていんですが。」


メイドさん。


「3人候補が居まして、誰が良いか選んでくれませんか?」


3人もいるんだ。


「後、カヤ様が嫌ではなければ、ルトお嬢様がやったメイドを選ぶやり方でやってみませんか。」


「はい。」


「カヤ様。はい、ではなく‛うん‘ですよ。」


「うん。」


「そうです。では話を戻しましてルトお嬢様が選んだやり方ですが」


と言い2分後。


内容は大体分かった。


やり方としては顔や名前は明かさず。候補のメイドさん3人とバラバラに一人づつと一緒に軽く仕事をして、誰が良いか選ぶ。近くにはリーアさんや護衛の人も念のために着いてくれるのだそう。

そしてできれば、その3人以外で変な人や仕事ができていなかったら教えてほしいという事だった。


それを彼女(ルト)がやってたのは意外だな。


「どうでしょうか?」


「それでやります。」


「はい。分かりました。」


「では後一つ。始める日なんですがいつがいいとかありますか。」


いつ始めるか、何か面白そうだしそれに仕事内容は軽いって言っていたけど負けたくない。

できる限り早めがいいな。闘争心が消えたらやる気がなくなちゃうから。


「明後日。」


「分かりました。ありがとうございます。」

土日に更新します。

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