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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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87/87

第87話「温泉大混乱」


 雪。

 しんしん。

 温泉。

 ぽかぽか。

 アクアは岩陰で必死だった。

 隠す。

 絶対隠す。

 だが。

 ユウがじーっと見ている。

「ねぇ」

「……なんだ」

「なんで隠してるの?」

「隠したいからだ!」

 ユウ。

 首を傾げる。

「変なの」

 そして。

 突然。

 ぐいっ。

「うわっ!?」

 ユウがアクアの腕を掴んだ。

 そのまま。

 ざぶーん!!

 温泉の中央へ引っ張り込む。

「おまっ……!」

 アクア大混乱。

 そして。

 最悪の角度。

 ビーン。

 ユウの顔の目の前。

 静寂。

 アクア。

 顔真っ赤。

「見ないでぇぇぇぇ!!」

 情けない声が雪山に響く。

 ユウ。

 きょとん。

「?」

 意味が分かっていない。

 純粋。

 最強に危険。

 ユウが指を伸ばす。

「それ触っていい?」

 アクア。

 即答。

「ダメ!!」

 温泉が揺れるほど叫ぶ。

「絶対ダメ!!」

「なんで?」

「未婚の女の子は興味持っちゃダメなんだよ!!」

 ユウ。

 さらに混乱。

「そうなの?」

「そうなんだよ!!」

 アクア。

 全力で温泉へ沈む。

 顔だけ出す。

「はぁ……はぁ……」

 ユウが近づく。

「病気?」

「違う!!」

「進化?」

「違う!!」

「武器?」

「半分正解で半分違う!!」

 ユウ。

 笑い始める。

「アクア面白い」

 アクア。

 完全敗北。

 そのまま。

 収まるまで温泉待機。

 だが。

 問題が発生した。

 ユウ。

 出ない。

 ずっと浸かってる。

 アクアが不思議そうに見る。

「……お前いつ出るんだ?」

 ユウ。

 当然のように答える。

「アクアが出たら」

「なんで!?」

「一緒に出たいから」

 アクア。

 頭抱える。

 出れない。

 絶対出れない。

 完全に詰み。

 時間だけが過ぎる。

 雪。

 しんしん。

 湯気。

 もわもわ。

 二人。

 真っ赤。

 のぼせ始める。

「……やばい」

 アクア。

 ふらふら。

 ユウもぼーっとしていた。

「あはは〜……」

 顔が赤い。

 目がとろん。

 一方。

 ミーちゃん。

 あったかい岩の上。

 ゴロゴロ。

 完全勝ち組。

「にゃ〜」

 気持ちよさそうに伸びる。

 アクア。

 限界。

「もうダメだ……」

 ユウもふにゃふにゃ。

「眠い〜」

 二人同時。

 ぐらっ。

「あ」

「わ」

 ざばぁぁん!!

 温泉に沈んだ。

 ミーちゃん。

「にゃぁぁぁ!?」

 大慌て。



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