表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/46

第25話「恐怖と選択」


「……二十一階」

 アクアが石板を見ながら呟く。

「念のため、回復置いとくか」

「慎重だねぇ」

 ユウが笑う。

「二十階ボス直後だからな」

「まあ確かに」

 回復の泉、設置。

「で、その先は?」

「……雰囲気変える」

「お?」

 ユウが身を乗り出す。


「ホラーゾーンだ」

「え?」

 その一言で、ユウの顔が固まる。

「スケルトン配置」

「うん……」

「あと、リアルなゾンビ」

「……リアル?」

「血まみれで、動きも不規則」

「……やめない?」

「却下」

「なんで!?」

「恐怖は中毒性ある」

「やだよそれ!!」

 ユウが本気で嫌そうな顔をする。

「素材も絞る」

「え?」

「骨だけ」

「夢も希望もないじゃん!」

「その代わり――」

 アクアが少し笑う。

「進む理由は“好奇心”と“恐怖”」

「……性格悪」

「褒め言葉だな」

 さらに調整。

 光るコケ。

 それを減らす。

「暗っ……!」

 ユウが後ずさる。

「見えないじゃん!」

「だからいい」

「絶対嫌だって!」

「お前行く側じゃねぇだろ」

「でも怖いもんは怖い!」

 竜なのに震えている。

「……お前ほんとポンコツだな」

「ポンコツ言うな!」


「……来たぞ」

 画面が切り替わる。

 二十階。

 Cランクパーティ。

 扉が開く。

 チョリキが、唸る。

「……行けチョリキ」

 ユウが小さく応援する。

「お前どっちだよ」

「可愛いじゃん」

「敵だぞ」

「でも頑張ってほしい」

「複雑だな」


 戦闘開始。

 突進。

「うおっ!?」

 一人が吹き飛ぶ。

 HPが一気に削れる。

「……重いな」

「いいねぇ」

 ユウが楽しそうに見る。

 だが。

 パーティも対応する。

「横に避けろ!」

 突進を回避。

 壁に激突。

「今だ!」

 カウンター。

 ダメージ。

 だがまだ足りない。

 再び突進。

 今度は当たる。

「ぐっ……!」

 HPが危険域。

「……まずいな」

 アクアが呟く。

 残り、わずか。

 ほぼ壊滅。

「終わりか……?」

 その瞬間。

「……いや」

 一人が立つ。

 タイミングを読む。

 構える。

 チョリキが突進。

 一直線。

「……今だ!!」

 完全なカウンター。

 斬撃が入る。

 撃破。

「……勝った……」

 全員が崩れ落ちる。

「……ギリギリだな」

「最高だね」

 ユウが満足そうに笑う。


「で、問題はここ」

 宝箱。

 目の前。

「開けるか?」

「開けるでしょ」

 ユウが即答。

 だがパーティは、動かない。

「……行くぞ」

 一人が言う。

「え?」

「先に進む」

「……マジか」

 二人が驚く。

 そのまま二十一階へ。

「……無視した」

「すご」

 ユウが目を丸くする。


 二十一階。

 回復の泉。

「助かった……!」

 HPが回復していく。

「……で」

 回復しきった後。

 パーティが振り返る。

「戻るぞ」

「……あ」

 ユウが声を漏らす。

 二十階へ戻る。

 宝箱の前。

「今なら、いける」

 開ける。

 杖を手に入れる。

 そして転移。

「うわああああ!」

 消える。


 静寂。

「……賢いな」

 アクアが呟く。

「うん」

 ユウも頷く。

「全部取った」

「リスク回避して、報酬も回収」

「……想定以上だな」

 少しだけ、嬉しそうに笑う。

「いいね」

 ユウもにやりと笑う。

「攻略されるのって」

「……悪くないな」

 アクアも、同意する。


「……でさ」

 ユウが小さく言う。

「ホラーゾーン、やっぱやめない?」

「却下」

「絶対やだって!」

「お前は来ないだろ」

「でも怖い!」

「知らん」

 ダンジョンは、さらに深くなる。

 恐怖と、攻略。

 その先へ――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ