カエデの実力
一階層に足を踏み入れた時、カエデは緊張した面持ちをしていた。
マコトたちは彼女の実力を確認するため、まずは簡単なモンスター相手に彼女を試してみることにした。
「カエデ、どんなスキルがあるんだ?」マコトが尋ねる。
「…忍術が使えます。」カエデは少し戸惑いながら答える。
「何かあったら言ってくれ。無理はしなくていいから」と、タケシが優しく微笑んだ。
カエデは頷き、手に持っていた苦無を構えた。
その瞬間、彼女の姿が一瞬で消え、次の瞬間には同じ姿が二人に増えていた。
「分身か!?」タケシが驚きの声を上げる。
「うん、これが私の忍術のひとつ。これで一人で戦うのが少し楽になるの…でも…」
「でも?」マコトが先を促す。
「これだけじゃ敵の攻撃を避けるだけで精一杯で、どうしても最後まで戦いきれないんだ。だから、一階層すら攻略できずに…」
カエデは肩を落とした。
「なるほど、分身を使って敵を翻弄するのは良いけど、その後の一撃が足りないってことか…」マコトはカエデの戦い方を観察しながら考え込んだ。
「それなら、こうしよう。俺たちがカバーするから、カエデはタイミングを見て敵に攻撃を加えるんだ。俺たちが敵の注意を引きつけておくから、焦らずに自分のタイミングを見極めて攻撃してみてくれ」
と、マコトは提案した。
「わ、分かった。やってみる…!」
カエデは再び気を引き締め、今度はしっかりと戦闘態勢に入った。
初めての戦闘が始まった。
目の前に現れたのは一体のゴブリン。
マコトたちはカエデにそのモンスターを託し、少し距離を取って彼女を見守る。
カエデは再び分身を使い、ゴブリンの注意を分散させながら回り込む。
そして、マコトのアドバイス通りにじっくりとタイミングを見極め、一瞬の隙を突いてゴブリンの背後から素早く苦無を放った。
ゴブリンは驚き、振り向いたが、カエデの攻撃が直撃し、そのまま倒れてしまった。
「やった!」
カエデは息を切らせながらも、嬉しそうに笑みを浮かべた。
「すごい!完璧じゃないか!」
マコトが歓声を上げる。
「見事だね、カエデ。これなら十分やっていけるよ」
と、リンも微笑みながら称賛した。
「うん、カエデ。お前、もう自信持っていいぞ!」
タケシも力強く頷いた。
「ありがとう、みんな。…これで、私も一緒に戦えるかも」
カエデは感謝の気持ちを込めて、深く頭を下げた。
その後、彼女は他のモンスターとも対峙し、マコトたちのサポートを受けながら徐々に自分の戦い方を確立していった。
分身を使い、敵の動きを封じて、確実に一撃を加えるという戦術が完成してきた。
「もう大丈夫そうだな。これなら2階層に挑戦しても問題ないんじゃないか?」
マコトはカエデの成長を目の当たりにしながら、彼女の実力を認めた。
「そうだね、カエデ。君なら十分に強いよ。自信を持って進もう」
と、リンも彼女を励ます。
「…ありがとう。これからもよろしくお願いします!」カエデは笑顔でそう言った。
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