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悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第4章
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ワッツ辺境15〈古城〉

お読みいただきありがとうございます。

ちょっと体調を崩しておりました。


次回更新も土曜日になると思います。

 その後も、3妖精たちとの攻防は続いた。

 とにかく彼女たちは無駄におしゃべりだった。そして油断すると僕の心の声が伝わってしまう。


 だから日々の彼女たちのおしゃべりは聞き流し、自分の心の声は漏れないように意識(ガード)する。ついでに側に寄るのは夜だけにしてもらった。のだが、それをなんとか破ろうとする妖精たちと、守りの僕との攻防が日常だ。はっきりいうと、疲れる。


 そんな日々を過ごすのとは別に、保護したリリィとマリーンはワッツ辺境伯爵家の古城に移り、心身ともに回復した後、アルディア子爵家へ帰ることになっていた。


「えっ?リボさんがリリィとマリーンさんを護衛して行くの?」

 応接室に呼ばれて告げられたのは、そういう事だった。


 当初は、死亡した護衛の代わりの者を、ワッツ辺境伯爵家が冒険者ギルドに依頼して頼むという話だった。


 要はワッツ辺境伯爵家の騎士は子爵令嬢の護衛に出せないが、代わりにお金で冒険者ギルドの護衛を頼み、子爵家へのメンツを果たす、ということだ。


 だが、その冒険者ギルドからの依頼をリボさんが受けてきたという。ワッツ辺境伯爵家の嫡男が。


「子爵家を特別扱いして、大丈夫なんですか?」

 僕がそう訪ねたのは、アルディア子爵家がワッツ辺境伯家と仲が良くないメイソン伯爵の寄子(よりこ)だからだ。


 こちらに来て知ったことだが、ワッツ辺境伯爵領の関係者は脳筋、力技、(はかりごと)より先制攻撃、という人々で構成されている。


 対して隣のメイソン伯爵家は魔法・魔術省トップのソーメル侯爵家の親戚で、メイソン伯爵家も魔術師寄りの魔法師一族だった。

 魔力量、魔法の強さはモーグ一族がトップだが、モーグ一族は魔法師という位置づけより、法務のイメージが強い。

 その点、メイソン伯爵家は少ない魔力を魔道具で補い、上手に活用しているイメージが強い。


 つまり職人的、検討好き、道具好き、防御を得意とする隣のメイソン伯爵家とワッツ辺境伯爵家は、魔物退治の際に、討伐方針でいつも揉め事を起こしていた。


 そのメイソン伯爵領を通過して、リボさんはアルディア子爵家へ送っていくことになる。


「大丈夫だろ、冒険者として通過するだけだ」

「でもリリィは、寄子の子爵令嬢として挨拶しなくてはいけないんじゃないですか?」


「引き取ったといってもまだお披露目してねぇし、マリーンとしてはこっそり早く子爵家に連れて戻りたんだと」

「マリーン、ねぇ」

 僕がふーんと意味深に笑えば、それまで無言でお茶を飲んでいたリンダお祖母様が言い切る。


「樹海に引きこもりの嫡男が珍しくも領外へ出ようって言うんだもの、大歓迎よ!それにフランチャスカ侯爵に比べれば、メイソンなんて問題にもならないわ」

「そうですか・・・なるほど」


ーーフランチャスカ侯爵、そんなに嫌いですか。。。


 と言えない僕。別に僕だって好きではないが、そこを突っ込むと、リンダお祖母様と言い合いになってしまうから、スルーが鉄則だ。


「それで出発はいつですか?」

「明後日の予定だ。戻ってくるのは10日前後だから、ギーヴとも入れ違いで会えなくなるな」


「え?」

 リンダお祖母様が促すと、執事が封書を僕に渡してきた。

 差出人はモーグ侯爵代理であるロドリゴ=フィン=モーグ。公式の押印がある正式親書だ。

 きっと同じ内容のものが、リンダお祖母様の所にも届いたのだろう。


「・・・寂しくなるわ」

「リンダお祖母様・・・」

 その手紙には、ようやく王女との婚約が白紙にできそうだということ、その為に僕が王都に戻る必要があること、そろそろ当主の勉強も再開させたいこと、などが書かれていた。


「・・・ギーヴィスト、目的は達成できそう?」

 事情も知らないはずなのにリンダお祖母様は、僕が強くなりたがっていた気持ちを察してくれていたようだ。


「ーーわかりません。でも、騎士団のみんなや辺境の冒険者仲間、そしてリボさんやリンダお祖母様のおかげで、僕はずいぶん強くなったと思います。お祖母様、モーグに戻る前に、本気で手合わせをしてくださいますか?」


「もちろんよ。きっとトントも手合わせをしたがるわ。覚悟していてね」

 笑顔で言われ、僕は嫌な予感で背中に汗をかく。


ーーコレ、騎士団長とか副団長とかも参戦してきて、結果、騎士団特殊特訓(ブートキャンプ)になるパターンでは。


「ははは、もしかしたら、リボさんが戻ってくるまで、僕、出発できないかもね・・・」

 小さな呟きが現実になりそうで、僕はリンダお祖母様に手合わせをお願いした事をひっそり後悔した。


「そういや、頼まれてた竜の歯に詰まってた額飾りだが、古すぎてこの辺境では鑑定ができる人間がいなくてな。王都の商人なら由来がわかるかもしれん、と年寄りどもから紹介を受けた」

 リボさんが紹介状を渡してくれる。


「ランボルゲ商会のティリアーノ商会長宛?」

「ああ、あのーー220歳のエルフと人間のハーフね。長老の紹介状が通じるかは分からないけれど、物知りだって裏では有名なのよ」

「そうなんですか?王都に行ったら訪ねてみます」

 物知りと裏では有名、というワードに引っかかりつつも、僕はお礼を言った。


 竜の歯に詰まった骨は、生き残り戦(そうあたりせん)の後、結局リンダお祖母様が管理して、防具に加工されることが決まった。しかし金の額飾りだけは、僕が譲り受けた。


 売っても溶かしても有り難い金製品だが、なんとなく見た覚えのある古い家紋が付けられていたので、その由来がはっきりするまで、活用することができなかった。


 そこでこの古い家紋を鑑定できないかと、リボさんに相談した結果が、このご紹介だった。


ーー220歳のエルフと人間のハーフって、ちょっとワクワクするかも。


 王都に戻ったら、是非訪ねてみようと僕は思った。




ようやくあと数話で辺境も終わり、学園へです。

お付き合いいただけると嬉しいです。


毎回誤字脱字名称間違いがあり、すみません。

修正してますが大筋は変わりまでんので。


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