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         1 世間話

 侯爵の3男の僕は、貴族学院卒業後は国の騎士団に入る。爵位はないだろう。働き次第で得られるかどうかだ。

            1  世間話


 僕は侯爵の3男のロイド、侯爵の息子と言っても家継ぐのは嫡男だけ。3男の僕は婿なるか手柄を立てて爵位もらうか、後は仕事に就くか。貴族学院卒業後も後一ヶ月、パーティーのパートナーもいない。理由は公爵令嬢のマリエールを愛してしまったから。一応卒業後国の騎士団に入隊するのは決まっている。パーティーは欠席しようと考えている。マリエールとは同じクラスだ。立ち話くらいたまにする。偶々会ったマリエールに話しかけた。

「マリエール令嬢、今度の卒業記念パーティーの御相手は王子様とですか。お似合いですものね。」

マリエールと同級生の王子は嫡男ではない次男だ。嫡男の王子の相手はマリエールの姉だ。幼い時から婚約して昨年結婚した。嫡男でない王子は縛りがあまりない。婚約は強制されない。高い家柄の娘との結婚を推奨されていない。王位継承問題になりかねないから、

「王子様は諸用で欠席されるそうです。私も欠席するつもりです。」

チャンスだ。僕はマリエールに、

「それでは、僕のパートナーになってくれませんか。」

マリエールは、えぇ、と言う顔で僕を見た。卒業パーティーのパートナーの誘いはプロポーズのようなものだ。将来王子と結ばれる予定のマリエールに侯爵の3男がしていいはずがない。

「直接のお返事ではないですが。王子から公爵令嬢との結婚は控えるようにと国王陛下から言われたと聞きました。幼い時から結婚するのが当然と思っていました。父からも同じ事を言われました。私はどうすればいいのか迷っています。あなたのお誘いを受けるのはいい事だとは思えません。」

はっきり断わられたわけじゃない。もう一押しだ。 

「結婚して欲しいと言うわけじゃありません。せっかくの卒業記念パーティーに相手がいない同士一緒に参加しようというお誘いです。」 

マリエールは迷う仕草をしながら、

「判りました。よろしくお願いします。」

僕はよしやったと心の中でガッツポーズをした。

 学院の中で公爵令嬢のマリエールと侯爵の3男の僕が卒業記念パーティーのパートナーになる事を不思議がられた。両親からは、

「粗相がないように気お付けなさい。相手は公爵令嬢、貴族界のトップです。姉は王太子妃、あなたの相応しい相手ではありません。くれぐれも失礼のないようにしなさい。」

そんな事は判っている。

 そして当日、マリエールは、格調の高いドレスと如何にも高そうなジュエリーを身に着け僕の隣に並んだ。腕に腕を絡めて入場した。僕はマリエールに、

「緊張して胸がはち切れそうだよ。」

というとマリエールは、

「そうですか。私は普通ですね。」

冷たたいわけでもない。でも愛想がいいわけでもない。マリエールの立ち位置だ。王子といた時と変わらない。少し微笑えんで理知的な会話をする。流石に公爵令嬢だ教育が行き届いている。状況の変化を微塵も感じさせない。

「何故侯爵の3男と卒業記念パ―ティーに出たか。」

と聞かれ。

「王子が都合が悪いと言われ、代わりにパートナーのいない相手に誘われてお受けしました。」

少しも揺らぎはない。

 憧れの人公爵令嬢マリエールが卒業記念パーティーのパートナーになった。緊張して胸がはち切れそうだよと言うと私は普通ですと言われた。

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