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新たな仕事

 依頼を終えた翌朝、俺は冒険者職業安定所で新たな仕事を探していた。


「エリクのおっさん。隣り街に戻らないの?あそこが本拠地でしょ?」


 寝癖がつきようも無い短髪のイバトが、新しいブーツの埃をはたきながら話す。


「戻る時間が勿体無いだろう。その間も食費がかかる。魔物や野党との遭遇戦の危険もあるしな」


 経費も危険も避けられないのなら、金になる仕事をした方が効率がいい。俺は前回とは異なり、イバトとクレアを多少戦力に考えながら仕事の難易度を考えた。


 ······貴重品の移送?依頼書の中から俺の目に止まったのは、小型の荷物を運ぶ仕事だった。


 ただ運ぶだけなのに、報酬はそう悪くない。しかも運ぶ場所は俺が本拠地にしている隣り街だ。


 荷物を運び街に戻る。しかも報酬付きだ。俺は迷う事無くこの仕事を請け負った。荷物は木箱に入れられていた。


 大きさは甲冑の兜とほぼ同じ。中身は秘密。割れ物につき慎重な扱いが要求された。出来れば今日中に。遅くとも明日の昼前までは受取人に届けるのが条件だ。


 俺はこの荷を迷う事無く自分で持つ事にした。二人のガキ達に持たせるには危険極まりないからだ。


「何が入っているのかしら?ねえエリクおじさん。ちょっと覗いてみない?」


 クレアが興味深い目で、指で木箱をつついていた。


「中身を見る事は禁じられている。それよりクレア。魔法書はちゃんと勉強しているのか?」


 俺は赤毛の少女を嗜めた。俺は経費から一冊の魔法書をクレアに買い与えた。それは魔法を造り出したと言われている、伝説のロッドメン一族を信奉する協会が発行している本だ。


 しかもその本は人間の文字、魔族の文字両方で書かれていた。お陰で人間の文字だけの本より少し割高になった。


 この魔力の調整が出来ないポンコツ魔法使いには、とにかくそこを集中的に学んで欲しかった。


「え?え、ええ。寸暇を惜しんで、べ、勉強しているわよ」


 赤毛の魔族少女は目を泳がせながら答えた。勉強は順調にはかどっていない事は見て取れた。


 最初にクレアが火炎の呪文しか使えないと言ったのは、火炎の呪文だけは比較的調整が効くらしい。


 猪のような脳内空っぽの突進馬鹿と、ポンコツ魔法使い。俺はこの連中をなんとか使いこなし、戦いを乗り越えて行かなくてはならなかった。


 街を出て数時間。行路を進む俺達は何事も無く進んでいた。イバトとクレアが腹が減ったと合唱するので、少し早いが昼食にする事にした。


 木の木陰に腰を降ろし、俺達は携帯食料を荷袋から取り出す。春の季節ももう終わりだが、顔を吹き抜ける風はまだ柔らかい物だった。


 その時、俺達の前に三つの人影が立った。その三人は、俺達の手にした携帯食料を凝視していた。

 

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