7, 思考全開フルスピード
指の骨を折りました。
てれぺろです。
@ClarisGames
「魔王ちゃん」
たいそんは馴れ馴れしく魔王をちゃん付けで呼ぶ。
「名前はなんていうの?」
これから仲間になるのだ。
名前くらい聞いておかないといけないだろうと考えたのだ。
「パラジクロロベンゼンです!」
「…」
沈黙が続く。
「…!? 聞こえなかったかな?
パラジクロロベンゼンです!」
『は!?』
『なんで名前がパラジクロロベンゼンなんだよ。』
名付け親が魔王だとしてもさすがに毒薬を名前にするのはネーミングセンスを疑うものだ。
「パラジクロロベンゼンちゃんね!
おっけ…うん」
その瞬間、
たいそんが考えていた
赤髪ショート美少女説が崩壊する。
『赤髪ショートの美少女がThe 紫 - The ポイズ
ンって感じの名前なわけがない。』
「クッソォォォォォォォォォォォォオ」
たいそんはとにかく叫んだ。
森中に響き渡るほど大きな声で叫び、泣いた。
「いつになったら可愛いヒロインがあらわれるんだよぉぉぉ!」
「ハッ!?待てよ待てよ待てよ…」
たいそんの思考が高速で、フルパワーで稼働し始めた。
「あの、そろそろ行きませ…」
魔王がたいそんに話しかけるがあまりの威圧感に魔王は途中で話しかけるのをやめた。
そしてたいそんが導き出した考えは
『ポイズン→紫→やや黒髪→ロング→美少女』
だ。
つまりイメージが毒物の紫ってだけで黒髪ロングに繋げ合わせたのだ。
さすがの執着心だと言うべきだろう。
一般的に、毒物からは魔女が浮かぶだろう。
魔女に近い若い女子などそばかすのイメージしか湧かなそうにないが…カラー1色から1つの希望を導き出したのだ。
「あの、そろそろ行きませんか?」
魔王も希望を得たと察したのか、王国へ急ぐのを提案する。
「おう!」
たいそんは上機嫌だ。
『転移!
「ヴァーヂンテレポーテーション!」
「ヴァーヂンテレポーテーション!」』
俺たちは王宮に転移した。
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そんなこんなで王宮に戻った俺だが…
あれ?周りの視線が心なしか俺を危ない人を見る目で見てくるのだが…なんなのだろうか…
部屋の片付けを途中したため、話の接合部がおかしい気もするけど俺は何も見てません。