ep.14 キタキツネの憂鬱 2
放課後。
まどかを迎えにいこうかと教室に行こうとして、すこし迷う。
色々あったけど、なんだかんでいい感じにまとまったし、すこし二人の時間をつくってあげようかな――とか。
――ってか、ホント色々ありすぎでしょ。
熊田、気絶するし。
「んぐぅ」て。ウケたけど。
からかい半分で「膝枕してあげたら?」って言ったら、素直にやってあげたまどかにもびっくりした。
かなり照れてて、かわいかったけどね。
やっぱり、真瀬さんのアレが効いたのかな?
アレはさすがに……。
毎年あんなことしてたわけ?
マジで、ちゅーするかと思った。
……ひょっとして……あの二人、付き合ってるとか……?
いやいや。
まどかに対しての反応を見れば、熊田がわかりやすいタイプなのは間違いないし。
……付き合ってなくてアレってのも、どーかと思うけど……。
――でも、さすがに今度のは、まどかも真似できなかったみたい。
飴でアレやってるまどかも見てみたかったけど。
さすがにハードル高いもんね。
やろうとしただけでも、えらい。
「――やっぱり本気って、あそこまで一生懸命になれるものなのかな……」
うちは、まどかみたいには――――って!?
「………………」
気がつくと、いつの間にかとなりに真瀬さんがいた。
チロノレチョコをくわえて。
「………………」
チロノレチョコをくわえたまま、うちを見上げてる……けど――
まさか……うちにアレをやれと……?
「………………」
「………………」
うーん……。
でも、急に言われてもなぁ。言ってないか。無言だし。
熊田みたいな返しを期待されても困る。
――とはいえ……「戸惑っちゃって何もしない」ってのも、なんか、ね。
「………………」
「………………」
真瀬さんに顔を近づけてみる。
真瀬さんが目をつむって――
「ん……」
真瀬さんペースなのはなんか癪だから、口移しでチロノレチョコを取ってやっ――
「……!!」
「…………っ!?」
あ…ヤバ……。ちょっと唇が触れちゃった。
こんなに細くて小っちゃいのに、やたら柔らかくて動揺。
な……なるほど……。
「………………」
「………………」
目を見開いて、手の先で口をおさえたまま、うちを見つめる真瀬さん……。
……ヤッバぁ……気まずい……っ。
「え…っと……ゴメン。当たっちゃった……」
「…………ばか」
口をおさえたまま、視線をそらして頬を染める真瀬さん……。
……かわいいな。フツーに。
――じゃなくて。
「ぉおお詫びってゆーのも、なんだけどさ。……これっ。あげる」
慌てて、うちのカバンから、ラッピングされた箱を取り出した。
中身は……まぁ……チョコですよ。
「……いいの?」
「うん。まぁ、その……不可抗力とはいえ、奪ってしまったわけだし……」
最近知り合ったばかりの女子の唇を……。
「じゃなくて。これって、シロ…」
「のぁぁぁう……ッ!!」
――ちょっと……!
今、言おうとしたのって、絶対そうだよね!?
とっさに口ふさいじゃったけど、我ながら見事な反応速度……!
ってか、なんでわかったっ!?
――とはいえ、なんかこのままじゃ、かっこわるい――
ので。
「それ以上言うと――その口……もう一度ふさいじゃうよ?」
ちょっと、色っぽく決めてみた。
もう、ふさいでるけど。手でね。
「……まぁ……その……お下がりみたいで、悪いんだけどさ……」
ね。唇奪ったり、口ふさいだり、は――いいとして。
よくはないけど。
動揺したあげく、自分の情けなさから出たお下がりを渡すとか――
さすがに、自分でもどうかと思う。
なんだか急にがっくりきちゃって、真瀬さんの口をふさいでた手が自然と落ちた。
「ううん。ありがと」
箱を胸に抱いて微笑む真瀬さん…………かわいいやんけ。
「ふふ」
唇に指先をあててもう一度微笑んだ後――真瀬さんは、ぺたぺたと去って行った。
「…………う~ん」
変な子。
でも、まぁ……変だけど、いい子ではある……かな。
たぶん。
かわいくは、あった。
「……帰ろっかな」
二人の邪魔しちゃ悪いし。
ってか、一気に疲れたし。
今日は、プルコギチーズ鯛にしよ。
更新が飛び飛びになってたこともあって、白井さんが真似する流れを忘れちゃった方も多いかと(´;∞;` )
そうなんです、「ep.9」のステップは真似しようとしたけど恥ずかしくてウロウロしてたんです \(´・∞・` )
ちなみに、「我ながら見事な反応速度……!」の後「ニュータイプかっ!?」と入れようとしましたが、姫滝なのでやめときました(´=∞=`*)むふー




