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座敷童子 1 まずは、前提条件。

 


 とりあえず、二つの前提条件を話してから、本格的に話そうか。

 ひとつは、飢饉。

 ひとつは、当時の米作関係。

 今と前提条件が違いすぎる為、半分学校の授業のように行くとしよう。

 と言うかね、自分の常識が当時の常識と思うなよ、とつくづくに思ってしまうのだよ。。

 

 最初は、米作関係。

 基本的に、米どころの非農家程度でも知っているレベルにはなるけれども、米は寒さに弱い。

 一応、現在は北海道でもそれなりに安定して取れているけれど、江戸時代から作っているけども、とれるの?

 現在の、とはつきますが、それなりに酷い冷夏や台風が幾つも直撃しない限りは、それなりに取れます。

 ただし、前提条件となる江戸時代以前となるとかなり怪しいと思います。

 加えて、年貢は「今年これだけ取れたからこれだけ貰ってくよ」ではなく、「この広さならこれだけ取れるでしょ?その六割を収めてね」が、年貢なんですよね。

 さて、質問。

 例えば、100キロ取れる土地で40キロしか取れなかったら?

 その辺りは、水牢とか調べて欲しい。

 或いは、天草の乱から宗教を差し引いて、成立するか考えて欲しい。

 後者に関しては、幕府サイドの記録にもあるが、そのしばらく前数年は不作気味だったってのは残ってる。

 ……古文は読めなくても、荒いサイコメトリもどきが出来る友人曰く、「キリストなくとも、乱がない方がどうかしてる」レベルだそうだ。

 それはさておき、「記録に残らなくても、ちょっとした冷害旱魃なでも、十全、米が取れたか怪しいと思う。

 ちょっと、資料ひっくり返したり、農業科出身の知り合いに聞くと、福島以北辺りで十全取れるか今でも怪しいぐらいなのだから。

 (※因みに今は、100のうち、120取れるとか割とあるから指標でしかないけど)

 農業に関しては素人が調べて、これだからな。

 そもそも、貨幣文化が浸透してきたところに、徳川家康のドアホウは米作文化にしたことも、悪影響と言えば悪影響ではある。

 ……とりあえず、「えー、貨幣文化って明治からじゃねぇの?」「江戸時代も貨幣っしょ?」とか言う奴、どういう授業受けてきたよ。

 貨幣文化・・・金出して商品貰うのは、楽市楽座が機能したこともあわせずとも安土桃山までに浸透していた文化だと思う。

 それを、家康がお金の価値の基準に米を持ってきたわけだ。

 思い出してみて欲しい、武士の給料は何だ?






 次は、飢饉です。 日本史史上で記録に残るほどの飢饉だったのは、合わせて8つ。

 一応、教科書と合わせてるけども、多分、そう。

 詳しくは、WIKI先生を見て欲しい、基本的に一つ一つを取り上げる気は無い。

 そのうち、全国規模だったのが、享保の大飢饉以外の七つが、全国に被害をもたらしている。

 ただ、平安~鎌倉室町辺りの場合、全国と言っても、最高で日本海側で新潟の糸魚川辺り、太平洋側で鎌倉辺りまでなのは留意してもらいたい。

 鎌倉直前ぐらいで辛うじて、仙台辺りまで記録にあるぐらいか。

 もちろん、アイヌとかそう言うの抜いてな。

 それを差し引いても、当時の社会を崩壊させるに足る規模の飢饉であったと記される。

 んでだ、授業じゃ聞いたことは先生次第じゃないだろうけど、メインで書こうと思うのは姥捨てと間引き。

 残酷だなんて言うなよ?

 民話にすら、残ってるじゃないか、姥捨ては。

 基本的に、私は民話と言うものは、村社会であった忌まわしい出来事を忘れなきゃいけないけれど、覚えていなきゃいけない戒めの名残が、民話だと思う。

 もちろん、公的記録は無いけれど忌まわしい出来事の戒めじゃなきゃ残らないでしょう?

 ……前向きの説話なんか、ほぼ残らないし。

 そして、聞きたい。

 100人を生かして90人死ぬのと、100人のうち50人殺して少しでも生きる道を選ぶことはそんなに悪いことか?

 姥捨て間引きなんてのはそういうことだと思う。

 特にな、姥捨ては一応で言うなら、仏教的思考も入ってるからな。

 禅宗系の逸話系統の本でこう言うのがあったんだが。




 お寺であっても、日々の作物は自分で作ります。

 もちろん、他の作業も同様です。

 それは、還暦を越えた住職さんでも同じことです。

 あるとき、弟子の一人が言いました。

 「住職様ももうお歳だ、作業を免除しようじゃないか。」

 そして、次の日、弟子たちは住職の作業道具を隠して言いました。

 「どうぞ、休んでいてください。」

 晩に、膳を下げに来た弟子が、住職が食事をしていないのを見て問いかけました。

 「何故、食事をしていないのですか?」

 「働かざる者、食うべからず、じゃよ。」

 慌てて、弟子達は翌日、作業道具を住職に返したと言うことです。



 

 思い切り、意訳翻訳したけど、こう言う話。

 うちの地元を制圧してる(宗教的に)、仏教系は別宗派ではあるけど、親戚の和尚も同じこと言ってたし。

 手元にある大須の寺で買った観音経にも、小難しいけど、ざっくり言うなら「働かざる者食うべからず」ってのはあったから。

 少なくとも、日本仏教においては、通説と言うか一般的な教えなんだと思う。

 働けなくなったら、とっとと死ね?直接は言わないが、そう言うもんだろう。

 ……本当にあった怖い民話系の本によくあるような、足を砕かれた老人の骨云々。

 無いとは言えないけれどね。

 


 ありきたりと、切り捨てれる程度には、老人捨てと子どもの間引きはあったんだろうね。





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