コン魔王の城 第八話「過去話」
新米冒険者が攻めてきた。だが新米だけに、ライムすら倒せない。
「くそ! 雑魚が硬い!」
「これが魔王城か……」
新米冒険者二人は、それでも何度も挑戦しようとする。
「敵か?」
「新米みたいです」
「ふむ、様子を見に行こう」
コン魔王も少し気になったようで、玉座から立ち上がり、入口付近へと向かう。
「ライム群に苦戦か……」
「なんか昔を思い出すッス」
ゴボウは何故か感傷に浸っている様。
「昨日の晩御飯の話?」
「訓練していた時の話だろ!」
トリトリは相変わらず。カムイがツッコミを入れる。
「オイラ頑丈に鍛えられたッス」
「確かに、いっぱい怒られた……」
ゴボウの昔話に流石に、過去を思い出したトリトリ。沢山怒られて、それでも立ち上がったからこそ今の成果がある。
そんな中、ジッとコン魔王を見つめるカムイ。カムイは過去のことを思い出す。
カムイはいつも泣き虫で弱くて立ち上がれなかった。親に怒られ逃げ出したかった。
そんな時、傍に来て竹刀を魔力で掴んで向ける、それがコン魔王だった。
「また言って欲しくなりますね」
「何をじゃ?」
立て、カムイ! そう言って欲しくなるのだ。
「懐かしくなります」
「誰しも最初は初心者じゃ!」
そう言って新米冒険者達を追い払うコン魔王。
「くそっ! 強くなって、また来るぞ!」
魔王城は簡単な場所ではない。選ばれし者が挑戦する場所だ。
「ところで……気にならないか?」
「何がッスか?」
「僕わかるよ! 今日の晩御飯だよね?」
「違う!」
カムイが何やら話し始める。ゴボウが気にして、トリトリはボケている。
「コン魔王様の……幼少期の話さ」
あまりの事に吹き出したコン魔王は、やめろやめろと、手を振る。
「確かに気になるー!」
トリトリが茶化すと、後ろからタヌ秘書が現れた。
「では、話しましょう。コン魔王様には愛する人が……」
「ワーーーーーー!」
大慌てでタヌ秘書の口を塞ぐコン魔王。
「え? でも……」
「やめろーーー!」
何とかタヌ秘書を抑えてコン魔王は部屋に戻っていった。
部屋でタヌ秘書と寝ながら考える。
(過去か……忘れたことなんてないぞ。元気にしてるかな? また会いたいな。いつか大人になったら……)
プーちゃん……そう呟いて眠りに落ちるコン魔王だった。




