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織姫様の元に参りましたの

 御機嫌よう、アンジェリーナですわ。


  さて、バスケットも詰めましたし、 織姫様にも彦星様にも今からお伺いする旨の文も届けましたし… さぁ出発ですわ。


 織姫様の工房がある「月光の河原」迄は歩いて参りましてよ。


  美しい花園の中を我が君様とホロホロと歩を進めるのは誠に楽しゅう御座いますわ。


 果てなく広がる花園、 その中に花木が好きに彼方此方に育ってる風景はこれぞ「天」ですわね!


  やがて織姫様が居を構えて居られる場に近づ来ますと、桑の木が多く目につく様になりますの。

 

「あっ!女神様!いらっちゃいませ~おまちしておりまちたぁ」


 工房の外、敷き詰められた石畳に作られた干場で純白の絹糸を干して作業している、


 淡いピンクのエプロンドレスお仕着せを身につけた幼い「かい子」ちゃん達が作業の手を止めてたどたどしく挨拶をされましたよ~ 可愛いんですけどねー、うーん


「アンジェリーナ様もようこそですぅ、 ご案内いたちます」


 かい子ちゃんのご案内で 館の中へと入って参ります、


 あぁ~忘れておりましたわぁ…ここは「チーム織姫」の元で日々熱戦が繰り広げられる場でありますことをー!


「さぁ!皆!気合いは入ってますわね!新しきファッションの挑戦には気合い!気合い!が必要よ!」


「はいっ、師匠!」


 何時お目にしてもまるで軍隊の様に統率されておりますわねー、


 織姫様がご使役されてるのは、先程の「かい子」ちゃん達の他には、


 機織り担当の上衣は淡い黄色、それを凛々しくたすき掛けにし 下は淡い緑の袴姿の少女の姿の「ちとせ」ちゃん達、 パタンパタンと頑張っておりますわね。


 縫製のお仕事されてるのは、黒と鮮やかな黄色のスレンダーなドレス身につけた妙齢の女性、「アラクネ」姉様御一同、 レース編みは絶品で御座いましてよ でも…


 そう、お気づきになられまして?織姫様がご使役されてる御方達の「実体」を …決して想像してはいけませんことよ!想像しては…!


 愛らしい幼子の「かい子」ちゃん達は 「おかいこ」……


 少女の「ちとせ」ちゃん達は「機織り虫、キリギリス」………


 殿方も魅了するナイスなボディの「アラクネ」姉上さん達は「女郎蜘蛛」………


 それぞれが織姫様に見いだされ、人の身に形とり、 配下としてお仕えされているのですが、


 うーん つい、ここに立ち会いますと想像力が上がってしまいましてー


 いっ いけません!想像すれば恐ろしい光景が広がってましてよ!ああぁー、


「あら?これは失礼致しましたわ。ご挨拶が遅れました。つい仕事に熱が…わざわざご足労ありがとうございます」


 かいこちゃんから報告を受けられた織姫様がにこやかに此方に来られますわ、 はぁ助かりました。



 それにしても 何時拝見致しましても素晴らしいですわ~憧れてしまいましてよ。


 私の視線にお気がつかれました織姫様が編み上げブーツのお足元でぐるり、とその場で軽やかにターンを決められます。


「どうでしょうか?女神様 此方が新しいご衣装のサンプルになりますの」


 まぁまぁ!何と新しいですわ~「天」基準で御座いますが


 織姫様の出で立ちは 黒の華美なドレスにレースやらフリル リボンで装飾され、スカートはパニエで膨らませておられまのね。


 これは「ゴシックロリータ」とお呼びする分野なのでは!良いものですわねー少し憧れてしまいますことよ。


 我が君様の新しいご衣装とのことでしたから、このデザインで「純白」の布で御作りになられますのね!「天」にも色々決まりが御座いますのよ。


 1つは「お色」この「純白」のお色は「禁色」で御座います。 御身に付けられるのは我が君様のみとされてますのよ。


 あぁーいけませんわ、 ときめいてしまいましてよ~これから大切なお役目が控えているというのに…


 織姫様見習い気合いを入れなくては!








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